青の女王と占い
かわいそうな王女様。
おいたわしい王女様。
その王女様は、とても病弱で体が弱かった。
生まれた時に医者から「長くは生きられない」と言われていたほどに。
しかし、王女の父はそれを受け入れる事ができなかった。
だから魔法を使い、人の生命力をうばって、その王女に与え続けていた。
王女は何も知らない。
その事は全く知らない。
知らないままに、大きく育った。
そして、ある日残酷な真実を知ってしまう。
仲良くなった友達がいなくなって、その行方を調べて、知ってしまう。
悲しんだ王女は、自分も後を追う事を考えていた。
これ以上犠牲者を出してはいけないと、そう考えていた。
けれど、そうするしかないと考えても勇気を出せなかった。
病弱な王女は、今まで普通の子供のような事は何もできなかったからだ。
「私の人生はいったいいなんのためにあったの?」
王女は絶望しながら、生きていた。
自分では命を絶つ事ができないから、誰かに殺してほしいと願いながら。
そんな中で、希望がもたらされた。
王女を殺してくれる存在が、どこかにいるのだと。
それはひとつの「占い」だった。
たった一つの未来に関する言葉だった。
その頃には青の女王になってい王女は「占い」から希望をもらっていた。
やっと自分を殺してもらえる。
それだけが彼女の救いだった。
もうずっと普通の人間として生きられない青の女王の、動く事のできないかつて王女だった女王の、救いだった。
だから青の女王は探し続ける。
特別な車いすに身を横たえながら、様々な場所を探し続ける。
その日も、誰かの命を消費しつづけながらも探し続ける。
「占い」で言われた、運命の相手を見つけるために。