表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

色彩女王シリーズ

青の女王と占い

作者: リィズ・ブランディシュカ



 かわいそうな王女様。


 おいたわしい王女様。


 その王女様は、とても病弱で体が弱かった。


 生まれた時に医者から「長くは生きられない」と言われていたほどに。


 しかし、王女の父はそれを受け入れる事ができなかった。


 だから魔法を使い、人の生命力をうばって、その王女に与え続けていた。


 王女は何も知らない。


 その事は全く知らない。


 知らないままに、大きく育った。


 そして、ある日残酷な真実を知ってしまう。


 仲良くなった友達がいなくなって、その行方を調べて、知ってしまう。


 悲しんだ王女は、自分も後を追う事を考えていた。


 これ以上犠牲者を出してはいけないと、そう考えていた。


 けれど、そうするしかないと考えても勇気を出せなかった。


 病弱な王女は、今まで普通の子供のような事は何もできなかったからだ。


「私の人生はいったいいなんのためにあったの?」


 王女は絶望しながら、生きていた。


 自分では命を絶つ事ができないから、誰かに殺してほしいと願いながら。


 そんな中で、希望がもたらされた。


 王女を殺してくれる存在が、どこかにいるのだと。


 それはひとつの「占い」だった。


 たった一つの未来に関する言葉だった。


 その頃には青の女王になってい王女は「占い」から希望をもらっていた。


 やっと自分を殺してもらえる。


 それだけが彼女の救いだった。


 もうずっと普通の人間として生きられない青の女王の、動く事のできないかつて王女だった女王の、救いだった。


 だから青の女王は探し続ける。


 特別な車いすに身を横たえながら、様々な場所を探し続ける。


 その日も、誰かの命を消費しつづけながらも探し続ける。


「占い」で言われた、運命の相手を見つけるために。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ