魔法・必殺技解説:その1
一章の終わりに入れ損ねた、作中で登場した魔法や必殺技の紹介と解説になります!
前提として──この世界の魔法は八つの属性のうちいずれかを纏わせなければ行使できず、ゆえに属性を持たない“無属性魔法”という概念は存在しない。
火、水、風、土、氷、雷、光、闇の八つのうち、いずれかを加える事で魔法として行使でき、その属性を加えたとしても魔法の名称自体に変化はないようだ。
例:【弾】→【光弾】
また、八つの属性には相関関係が存在する。
火←水←雷
↓ ↑
氷→風→土
光⇔闇
燃え盛る火は氷を溶かし。
凍てつく氷は風をも止めて。
吹き荒ぶ風は土を淘汰し。
雄大たる土は雷など通さず。
霹靂する雷は水を貫き。
流動する水は火を鎮め。
そして、光と闇は──反発する。
◆魔法◆
◇【蘇】
術者の属性に応じて蘇生を行う回復魔法。
尤も、蘇生を行えるほどの魔力量と技量を併せ持つ術者はそうそうおらず、かつては優れた魔法使いもこの世界には多くいたが、その殆どが十五年前までの魔族との戦いで命を落としてしまっている。
蘇生と銘打ってはいるが実際に死者を蘇らせる事ができるのは回復に長けた水と光、そしてこの魔法に限り攻撃や支援に長けている筈の雷と闇の四つだけ。
他の四つは今まさに死に瀕している者の息を吹き返させる、また別の意味での蘇生魔法となっている。
【水蘇】なら死者を蘇らせる効果を持つ液体を生成し、それを対象に飲ませるか振りかけて蘇生させ。
【氷蘇】なら瀕死の重体を負った者を凍らせる事で仮死状態にし、それ以上の劣化を防ぐ役割を持つ。
◇【扉】
属性に応じた場所に門や扉を出現させる支援魔法。
基本的には術者の魔力量や技量次第で門や扉を出現させられる位置や、術者と同時に門や扉をくぐり抜けられる生物や物の数や質量が大きく変化する。
しかし、そもそも属性に応じて出現させられる位置はおおよそ決まっている為、言うほど万能ではない。
手間がかからない分、後述する少人数用の転移魔法の方が便利だと考える者も少なくないのだとか。
【土扉】なら地面に開いた大きな口のような門が出現し、その地面と繋がっている場所にのみ転移可能。
【雷扉】なら雷鳴とともに輪状の稲妻が出現し、それをくぐり抜ける事で雷鳴が届く場所まで転移可能。
◇【移】
属性に応じた場所に転移する支援魔法。
上述した【扉】と決定的に異なるのは、その魔法で同時に転移可能な生物や物質の数や質量。
この魔法は一人、多くても二人か三人の転移魔法であり、その分だけ短時間かつ少ない魔力で転移可能。
【扉】と同じく属性に応じた場所にしか転移できないが、それでも少人数ゆえ取り回しは幾分か良い。
【風移】なら空気があればどの場所にも転移可能。
【氷移】なら現在地より寒冷な場所に転移可能。
◇【強】
身体能力を属性に応じて強化する支援魔法。
拳に付与すればパンチの威力や物を運搬する為の力が向上、足に付与すればキックの威力や走行速度が向上、武具に付与すれば本来の性能以上の力が出せる。
ただ、基本的に自分が適性を持つ属性でなければ突出した強化にはならず、他人から火属性の強化をもらっても自分に火の適性がなければ効果はいまひとつ。
【水強】なら身体能力を底上げする効果を持つ液体を生成し、それを飲む事で強化が果たされる。
【闇強】なら付与した部位で攻撃する事により、相手の魔力を上書きしたり削りとったりできる。
◇【弾】
術者が持つ属性に応じた魔法の弾丸を指先か掌に展開した魔方陣から放つ、いかにも初歩的な攻撃魔法。
何もこの魔法に限った事ではないが攻撃魔法は術者の魔力量によって、その威力が大きく変動する。
覚えたての子供が放っても爪くらいの大きさにしかならないが、ある程度の魔力量を持った魔法使いが放てば後述する魔法の砲弾と見紛うほどの威力も出る。
【火弾】なら赤熱した炎の弾丸が。
【水弾】なら圧縮された水の弾丸が発射される。
◇【砲】
上述した魔法の弾丸の上位版。
術者が掌に展開した魔方陣から属性に応じた魔法の砲弾を撃ち出す、少しばかり応用的な攻撃魔法。
魔力量が低ければ牽制程度にしかならないが、撃つ者が違えば地形さえ変化させかねない魔法でもある。
聖女レイティアの【光砲】が良い例だろう。
【風砲】なら真空の刃を内蔵した砲弾が。
【雷砲】なら雷鳴轟く稲妻の砲弾が発射される。
◇【噴】
属性に応じた魔素を活性化させ噴出する攻撃魔法。
地表から4、5メートル下の魔素を活性化させる事により噴火の如き衝撃波を発生させる魔法である。
基本的に、この星は世界の心臓と呼ばれる魔法の源である魔素の集合体が存在する関係で、多少の差異はあれど大抵の場所には全属性の魔素が眠っている。
空中でもなければ行使できないという事は殆どない使い勝手の良い魔法であり、【弾】や【砲】に次いで教育者が教えやすい魔法の一つに数えられる。
本編中では物理も魔法も通さないフェアトの足場を崩す為に、レイティアが娘の足下へ向けて行使した。
【水噴】なら文字通り噴水のような鉄砲水が。
【土噴】なら鋭利な岩や土砂の塊が噴出する。
◇【癒】
術者の属性に応じて傷を癒す回復魔法。
魔力量はもちろんの事、回復魔法には術者の技量も求められており、高ければ高いほど重宝される。
回復に長けた水や光ならともかく、攻撃に長けた火や雷では魔力量があっても大した回復にはならない。
【火癒】なら体温を上げて自然治癒力を高め。
【闇癒】なら外傷ではなく酷使しすぎて擦り減った魔力を回復するべく、内在する魔力に干渉する。
◇【渦】
人間や霊人であれば掌や靴底、獣人や魔物であれば口の前辺りに魔方陣を展開する事もある、属性に応じた放射状か半球状の渦を発生させる高等な攻撃魔法。
本編では神晶竜たるパイクとシルドが、それぞれ風と水の【渦】を同時に放った事により、まるで暴風雨が如き息吹かと見紛うほどの威力を出していた。
【土渦】なら地中へ誘う為の蟻地獄のような渦が。
【氷渦】なら凍てつく吹雪のような渦が発生する。
◇【壁】
術者の属性に応じた障壁を発生させる防御魔法。
基本的には、術者に向けて放たれた魔法に纏わされている属性が弱点とする属性を持って行使し、その魔法を防御する目的で活用される初歩的な魔法である。
本編中では闇の魔法を防ぐ為の【光壁】を、レイティアが爆風や土砂を防ぐという明らかに普通と違う用途で行使していたが、それも彼女が聖女だからこそ。
【風壁】なら半球状の真空の障壁が。
【氷壁】なら超高密度の氷塊、或いは術者を包み込むような半球状の薄氷の障壁が出現する。
◇【創】
属性に応じた物質を創造する支援魔法。
数ある魔法の中でも随一の万能さを誇り、たとえ攻撃や防御に長けている筈の火や氷といった属性であっても、ある程度使い心地の良い道具や武具を創れる。
椅子を創って座ってみたり、武具を創って装備してみたり、それらを全く別の形にしてみたりと用途は多岐に渡り、術者とその魔力量や技量により千差万別。
とはいえ、やはり術者の持つ属性によって道具を創る方が適していたり、もしくは武具を創る方が適していたりといった違いは僅かながらに存在する。
本編中ではレイティアが光の椅子を、フルールが花畑仕様の華やかな石の椅子を創り上げていた。
ちなみに、パイクやシルドが自由自在に姿を変えられるのはこの魔法の力ではなく、あくまでも二体が属する神晶竜という魔物が持つ特性の影響である。
【雷創】なら電光が迸るほどの武具を創るのに長けており、家具にすれば魔物も近寄らない。
【水創】なら鰓呼吸できない人間や獣人でも、水中を移動可能にする道具などを創る事にも長けている。
◇【爆】
術者の身体、或いは全く別の何かに魔方陣を付与する事で属性に応じた爆発を発生させる攻撃魔法。
ある時は付与したもの自体を爆発四散させたり、またある時はその爆発を加速に利用する事もできたりする、どちらかといえば支援魔法に近い魔法である。
本編中では【火爆】でジェイデンが高速で飛来する自分を、パイクが機械的な爪と化した自分を装備して突進するフェアトを加速させる為に行使していた。
【光爆】なら身体を傷つける事はなくとも、純白のが辺りを包みこんで精神を消滅させる爆発が。
【闇爆】なら付与した生物や物質に内在する魔力に干渉し、その内側から漆黒の爆発が発生する。
◆必殺技◆
◇【断頭落とし】
本編でスタークが最初に披露した体術。
高所から飛び降りながら高速で縦回転し、対象の首か頭を目掛けて強靭な脚による踵落としを見舞う。
◇【迫撃拳】
スタークが母との手合わせで使おうとした体術。
距離を問わず瞬間的な助走をつける事により、肉眼では捉えられないほど加速した状態で拳を振り抜く。
◇【火竜特攻】
怒赤竜に転生したジェイデンの必殺技。
超高温の火炎の息吹を身に纏い、ブースターのように展開した【火爆】で加速しながら突撃する。
◇【迫撃爪】
上述した【迫撃拳】の派生技。
機械的な爪へと変化したパイクを腕に装備した状態で【迫撃拳】と同じく助走をつけつつ、その状態でパイクが行使する【火爆】で更に加速し、ジェイデンにも劣らない大きさと斬れ味を持つ爪で突撃する。
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