登場人物紹介:その11
残った味方サイド2人と、敵サイドの魔族です。
◆ガウリア(大体150・♀)
金払いの良い方につく典型的な傭兵である鉱人。
一人称は『あたい』。
身長は168センチ。
体重は85キロ。
基本的に上背が低い事でお馴染みの鉱人としては並の人間と同じくらい背が高く、やたら姉御肌な美人。
上述した通り、そもそも鉱人という名の種族の成人の平均身長は90から120といったところで、それを考えると彼女は特殊個体だと言えるかもしれない。
実際、彼女が育った鉱人の地下集落では全てが彼女の体格に合わなかった為、普通に生きるのも難しく。
成人してからすぐ、その集落を旅立ったのだとか。
それから、しばらくは鉱人特有の鍛治の技術を活かして鍛冶屋を営んでみたり、どうせ長生きするのだからと唐突に商人になってみたりと色々やってきたが。
結局のところ体格と膂力、そして特殊な鉱人であるがゆえか同族とは比べ物にならないほどの高い土属性への適性を活かして冒険者と傭兵を行ったり来たり。
魔族との戦いにも幾度となく参戦し、そのたびに決して小さくない戦果を挙げており、二つ名こそついてはいないものの彼女の顔と名を知る者は少なくない。
本編では魔奔流騒動の後、姉の行方を追って流砂に飛び込まんとするフェアトに手を貸す事となる──。
もちろん適性は土属性のみ。
ただ、ガウリアのそれは途轍もなく高い。
尤も本人は大して自覚しておらず、この体格と膂力こそが自分の強みと断じて巨大な斧を振るっている。
好きな食べ物は肉全般と酒に合うもの。
嫌いな食べ物は特になし。
玉鋼さえ消化する──と云われるくらいには何でも食べる事で有名な鉱人に相応しい好き嫌いと言える。
◆ティエント(20・♂)
正義感は強いが実力は発展途上な犬獣人の冒険者。
一人称は『俺』。
身長は184センチ。
体重は75キロ。
人間と同じ二足歩行だったり武具を装備していたり言葉を扱ったりする事を除けば、ほぼほぼ犬な男性。
獣人という種族の寿命は、どんな獣が素体となっていようが平均で35から40年ほどであり、それは彼も例外ではなく今現在20歳である事を考えると、すでに折り返し地点を通過してしまった可能性もある。
尤も、この事に関してだけ言えば獣人として生を受けた以上は仕方ない部分もあり、ティエント自身も短い一生を全力で生き抜く事を心に誓っているらしい。
そんな彼が冒険者試験に受かったのは三年前。
実に五回目の挑戦で、ようやく受かったとの事で。
ただでさえ、かつての頃とは異なり少数精鋭の冒険者という職業に就く為には並大抵の強さや知識、土地勘などを持っていなければならないというのに、ティエントは独学で臨まなければならなかった為、苦戦に苦戦を重ねてやっとの思いで合格したのだとか──。
それからは単独で活動したり、たまに他の冒険者たちと力を合わせたりしながら各地で依頼をこなし、そこそこの功績を挙げて人々に感謝される事も増えた。
そんな中、緊急招集された冒険者や傭兵、騎士団や宮廷魔導師に混じって参戦した戦場で、あのような惨劇が起こるとは彼自身も思ってもみなかっただろう。
魔奔流で出現した魔物相手には人並み以上の活躍ができていたが、あの化け物じみた野蚯蚓が突如として現れてからは自覚している通り何一つ成せておらず。
不甲斐なさを払拭する意味でも、そして多いとは言えない残りの生涯に逃げ癖をつけない意味でも、ティエントはフェアトに手を貸す事に決めたのであった。
適性は水、土の2属性。
獣人としては非常に珍しく身体能力<魔力であり。
そういう意味でも伸び代は充分にある。
両腕に装備した魔法弩と呼ばれる遠距離武器を、その身体能力を活かし接近戦に用いて戦う異色の射手。
好きな食べ物は骨つき肉。
嫌いな食べ物は玉葱。
嫌いも何も彼にとっては毒。
玉葱はあげないでください。
◆ガボル(享年15・♂)
15年前、勇者によって斃された魔族。
前世での一人称は『自分』。
野蚯蚓としての全長は100メートル以上。
そこらの【竜種】の成体より遥かに大きい。
また、並び立つ者たちの序列7位でもあった。
カタストロがそうだったからか、ほぼ全員が美男美女として生を受けていく中、後にガボルと名付けられる事になるこの男性魔族は、とことん不細工だった。
ただ不細工なだけならまだしも、その異常なほどに肥え太った身体も全身から流れ出る脂汗も洗っても洗っても消える事のない悪臭も、それら全てが醜悪で。
後の並び立つ者たちどころか、ガボルより格下の名もなき同胞からさえも疎まれる惨めな存在であった。
だが彼は周囲からの誹謗中傷を受けてもめげる事なく研鑽を積む事を決して怠らず、いつの間にか魔族全体で見ても上位に入るほどの実力を見につけており。
そんな彼に目をつけた魔王は並び立つ者たちとして彼を招き入れる事にし、ガボルという名と7位という高い序列──何より【円転滑脱】なる称号を授けた。
その称号を受けた後、彼の全身から流れ出る脂汗は異常なほどのぬめりを持つ粘液となって、あらゆる物理攻撃や魔法をその粘液で滑らせる事で一切の傷を負わなくなる、ある種の無敵とも呼べる状態になった。
元より高い実力と研鑽を積んだ事による高い練度。
更に並び立つ者たちの中でも、アストリットやセリシアを含む最上位三体に迫ろうかというほどの魔王への強い忠誠心も相まって、より一層の戦果を挙げた。
……同胞から忌み嫌われるのは変わらなかったが。
また、魔族として優秀という事は他の種族からすれば難敵という事である為、実を言うと敵勢力からも随分と忌み嫌われていたものの、それを知る由はない。
知る前に、ディーリヒトの一閃で消滅したからだ。
今世では、かつて並び立つ者たちだった頃に晴らしきれなかった『自分より美しいもの』への鬱憤を晴らすべく、いっそ前世より醜い化け物になってやると選んだ野蚯蚓に転生し、【美食国家】を2度も荒らす。
1度目は美しいものを山ほど噛み潰せて満足していたようだが、まさか2度目に勇者と聖女の血統によって死に追いやられるとは思ってもいなかっただろう。
転生前は膨大な魔力量や高い練度による闇属性の魔法と、その粘液による絶対防御と粘液で絡め取る事による窒息攻撃を得手とし、転生後は超強酸性の粘液と巨体を活かして、ただひたすらに獲物を喰っていた。
好きな食べ物はナイフとフォークで食す類の料理。
嫌いな食べ物は手掴みで食す類の雑な料理。
何であれば食事作法も完璧に近かった。
……食事を提供する同胞からは疎まれていたが。
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