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奴隷の国  作者: 猫人鳥
4章

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511/1452

511 障壁

フィール視点です。

「じゃあ鉱石を壊すからね。壊れたらすぐ、ハイヘェンターは襲ってくるからねー」

「……おいっ! 危ねぇだろ!」

「そうなのよー、危ないのよー」

「≪スリープ≫をかけてから壊すのではダメですか?」

「≪スリープ≫をかけておいても、邪気が戻ればその時の反動で起きてしまうわ」

「では、起きてから≪スリープ≫をかけるしかないのですね……」


 ハイヘェンターはかなり足が早い。

 その上魔法に対しても敏感だ。

 こちらに気付いていなかったからこそ、≪スリープバアド≫だって上手くかける事が出来たんだ。

 すでに私達に気付いているハイヘェンターに、すぐに≪スリープ≫をかけるというのはかなり難しいだろう。


「カイはハイヘェンターの周りに≪シールド≫を張っておいてくれる? さっきハイボーアを覆っていたみたいな感じにね」

「はい!」

「フィーはハイヘェンターの下に魔法陣を形成しておいて。すぐに≪スリープ≫をかけられるようにね」

「はい、かしこまりました」


 アキナ様の指示通りに私達が準備していると、


「おい、俺は?」


と、フェルルがアキナ様に指示を仰ぎにいった。


「フェルルは、見学?」

「見学……」

「じゃあ始めるわねー!」


バキッ!


 フェルルはまだ自分が見学である事に納得していない様子だったけど、アキナ様は特に気にする事もなく、あの固くなってしまっていた鉱石を指で弾くようにして、簡単に壊してしまった……


ゴゲッ! ガガガガッ!


「≪スリープ≫!」

「うん! 上手くいったわね!」

「良かったです」


 邪気の戻ったハイヘェンターは、すぐに自分が≪シールド≫に囲われていることに気付いたようで、嘴で≪シールド≫の障壁を攻撃し始めた。

 でも私もすぐに≪スリープ≫を発動出来たので、無事にハイヘェンターを眠らせられた。


「じゃあフェルル、感想は?」

「は?」

「見学をしたら、感想をちゃんと言わないと」

「……なんでだよ」

「フェルルの担当は見学だったんだから、ちゃんと見学してたでしょ? 感想は?」

「か、感想もなにも……」

「じゃあ次からはちゃんと感想を考えておいて」

「……」


 アキナ様はフェルルに対して、ずっと淡々と話しておられるので、冗談で仰られているのかがよく分からない。

 フェルルはアキナ様の指示をちゃんと聞くようになってくれていたけど、こういう事を言われるのはどうなんだろう?

 言われたフェルルは俯いてしまっているけど、どういう心境なんだろうか……?


「……お前、魔物との契約だって、俺にやらせるつもりはなかったよな?」

「え? えぇ、そうね」

「最初のハイボーア狩りだって俺の力量を見るのかと思えば、天喰種に手伝わせたりして……今の俺のせいで起きた問題も、俺には見学? その上感想を言えとか……」


 俯いたままに喋っていたフェルルは、急に顔をあげて、


「お前は、何のために俺をここに連れてきたんだっ!」


と、アキナ様に怒鳴るように問いかけた。


「何のため? 魔物狩りよ?」

「だったら俺1人にハイボーア狩りをさせた方がよかっただろっ!」

「だって、フェルルが戦った事ないとか、魔法は使えないとかいうからー」

「俺は真面目に聞いてるんだ! ふざけるなっ!」

「ふざけてないわよ。たまたまフェルル1人に戦ってもらうのに丁度いい魔物が現れないってだけで、そのうちに戦ってもらうからー」


 ふざけてないとは仰られているけど、アキナ様は軽い調子で話しておられるので、フェルルがふざけていると思うのも仕方がない状態だ……


「……お前は、俺に何をやらせたい?」

「今は魔物狩り。明日からは、野菜づくり」

「……野菜?」

「えぇ。明日になったら畑も完成するし、たくさん野菜を育てられるわ! そのための妖精種だし」

「美味しい野菜のための、妖精種……」

「そうね」

「俺はお前みたいな訳の分からない奴のためになんか、祈りを使わないからな!」

「じゃあいいわ。ミララに使ってもらうから」

「何っ!」


 これは、あまりよくないな……

 フェルルを怒らせてしまいそうだ……


「フェルルさん、落ちついて……」

「お前は黙ってろ!」

「アキナ様も、そんな言い方はよくないですよ?」

「……そう?」

「フェルルとミララにお願いして、祈りを使ってもらうんですよね」

「自由が大好きなアキナ様が、強制するなんて事をされる訳がありませんから、フェルルさんも安心して下さいね!」

「……」


 カイと2人でなんとか話を誤魔化してみたけど、フェルルはまたアキナ様を睨んでしまっていた……

 やっぱりそう簡単には和解出来ないか……


 アキナ様は何らかの理由でフェルルを見ておかなければいけない。

 でも魔物を飼うために、ダンジョンへも来なければいけなかった。

 だからフェルルを連れてきたんだ。

 その理由をフェルルに伝える事が出来ないから、こうして冗談半分な話し方をされるんだろう。


 アキナ様に喧嘩の意思がなくても、屁理屈ばかりのアキナ様と感情的になりやすいフェルルでは、簡単に喧嘩になってしまう。

 どうにか上手く誤解を解いていく方法があればいいのに……


読んでいただきありがとうございます(*^^*)

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