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転機

アランとデートをした日

屋敷に戻るとボクはすぐに侯爵夫人に話をした

このままじゃダメだと思ったこと

恩返しもしたいこと

なんとかしたいこと


「女の子は本当にちょっとした切っ掛けで変わるわね・・・」


そう言ってメイリースさんに視線を送ると、メイリースさんが書類を出してボクの前に置いた。


「これは?」

「養子縁組の書類よ」

「養子・・・」

「元々アランがマロンちゃんを連れてきた時から動いていたのよ、ああ決して追い出すとかそういった意図はないから安心してね」


侯爵夫人(おかあさま)の話を聞きながら書類を見せてもらうと、そこには()()()()()の家名、当主、配偶者が書いてあった。


「これって・・・」


少し懐かしい、見覚えのある名前にボクが顔を上げると、侯爵夫人(おかあさま)がニコリと笑った。


「ウチの養子にしても良いんだけど、それなりに知ってるそっちの方が良いと思ってね、・・・それにウチに入れたらお嫁さんに出来ないし」


後半はあまりに小さい声で聞き取れなかったけど

ボクも何処かで改めて暮らすなら知り合いの方が良かったと思ってホッとした。


「ありがとう、おかあさま」


お礼を言うと「いいのよ、こっちにも利は有るのだし」と笑っていた。

既にあちらには話を通していて、ボクとの顔合わせを何時にするかという段階らしい。

ボクはいつでもいいからと思ったけど、正式な顔合わせをする以上はドレスを着た方が良いとの事で、


「そうそう今日のお昼にワーナード商会のクリスさんから手紙が届いているわ」


侯爵夫人宛の手紙とボク宛の手紙が届いていて

一週間後にはドレスが出来上がるから待っててね、うふ!

と書いてあった。

ドレス買った覚えが無いのだけど、ワーナードはそういうものだから、らしい・・・


そんな訳で一週間後にドレスの合わせ、直しに数日と考えて、十日後に養子先の人と顔合わせをする事になった。


養子縁組の書類、相手先の家の概要書類

ボクの身元保証人としてメイベル侯爵家の印付き書類

そして養子縁組に関する第三者連帯保証人の書類には見慣れた印と名前が書かれていた。


「え?」


再び侯爵夫人の顔を見るマロン


「マロンちゃん頑張りなさい、貴女の頑張りは必ず貴女を幸せにするわ」


その言葉はとても信頼出来るものだと思った

だって目の前の書類にはマスティーゼ公爵家の印と公爵夫人(ママさん)のサインが書かれていたのだから。


「おかあさま、ボク絶対に恩は返すよ」

「ええ、勿論期待して待っているわ」




こうしてボクは慣れて来た侯爵家を出る事を決めた。







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