コーディネート
「クリス様」
「ありがとうマーゴット」
クリスはマーゴットから採寸表を受け取ると内容を精査し始めた。
口の端が上がるのをクリスは止められない
12歳のマロンの現在の体型から今後どの様に成長していくか、ドレス製作などで積み重ねた経験から概ねの成長曲線が頭の中にある。
今でも完全な比率のスタイルが数字から分かる、そして将来を考えると楽しみで仕方がなかった。
神の言う「人並み」な肉体は、魅了される人間を商会でも増やした。
ふにふに
裸のボクは胸を揉まれていた
どうやら下着のサイズも合っていないとかでアレやコレといくつもの下着を着けられては胸をもにもに。
「マロン様、胸のポジションは大事でございます、寄せて上げてコルセットで締め上げることで盛れるのです!
コルセットは矯正下着で、ある程度誤魔化せますが、シルエットを美しく見せるにはやはり基本のスタイルを美しくする事が肝要でございます!
マロン様は発展途上ですが、普段使いの下着で今の内に美しく形を整える事で将来良いご縁も得られると思います!
いえ、今でさえもとてもお美しいのですが、垂れてからでは遅いのです!垂れてしまっては!」
グッと拳を握り締めたサリーの目はとても怖かった。
他の店員さんもウンウンと頷いていたから、多分正しいんだと思う、・・・多分。
10人以上居る店員さんがそれぞれ下着の上下セットを持ち、待ち構えていた。
入れ替わり立ち替わり下着を付け替えては胸を揉む
お尻もくにくにと揉む、・・・お尻も下着ポジションがあるらしい。
「マロン様本日身に付けてきた下着はサイズを直させて頂きました」
「あ、うん、ありがとう」
「ご購入分の下着なのですが、普段使いに14着上下セットとネグリジェが春用と冬用それぞれ5着、それと・・・」
ずらずらと試着したものが近くにハンガーに掛けられ並べられる。
どれも値段が書いていない、馬車の中でアランが手荷物は預かろう、と言ったからお金は預けてる。
侍女が付かない場合、エスコートの男性が持つのは常識だからと渡していた。
「アラン?」
「ん、どうしたマロン」
カーテンの向こうに居るみたいで返事が返ってきた。
「お金なんだけど、値段、」
「気にするな、必要な物なんだから無いと困るだろう?」
「でも・・・」
「大したことは無いから大丈夫」
「うん、ありがとう!」
「さーて、下着は終わったわね? やるわよ!」
シャッ!とカーテンを開けてクリスさんが入って来た
隣にアランも居たみたいで目が合った
「っ!おいクリス」
即座に目を逸らして後ろを向いたアランだったが
王子の従者をしているだけあって目端が利くことが癖になっていた為、下着姿のマロンをバッチリ見てしまった
白いワンピースなので透けて見える色物ではなく、純白のショーツとブラ姿。
華奢な鎖骨、胸元、くびれた腰にスラリと伸びた脚、12歳の少女らしい体つきだが女の子として意識するには十分な魅力(神)があった、バッチリだ。
「あら、スケベねアラン」
「お前がカーテンを無造作に開けたからだろう!」
耳を真っ赤に染めたアランをクリスはニヤニヤと見ていた
わざとである。