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再会、はじめまして

キースの誤解をどうにか解いたアラン

裸足のマロンを歩かせる訳にはいかないと抱き上げる


お姫様抱っこの形になった事でキースが「やっぱり・・・、坊っちゃん・・・」とまた誤解しそうになった


マロンはマロンでオコジョ時代から抱っこされ慣れているので収まりよく、割と当然のような顔をしているのも誤解を招く要因である。



「へへへ・・・」

「ん、どうした?」

「なんでもない!」


泣いたカラスがもう笑った、とはよく言ったもので

アランが自分を見つけてくれたことが嬉しくて、涙の跡が乾かないうちにマロンは笑った。



アランに抱えられて馬車に辿り着くと、ランタンを持ったキースが扉を開く。

そのまま中に入ると知らない人が居た


「よ!久しぶり」

「え?」


違う、ボクは知っている


黒い髪の毛に、黒目の男

マロンの知る中で、この組み合わせの色で当てはまるのは一人しか居ない。


「クロ、スケ?」

「おう!いやあ、やっぱりマロンなら一発だと思ってたぜ」


同じ身の上の同志に会えて嬉しくなったクロードは陽気に笑った


ボクの視界がゆがむ



「うぅぅ」

「げ」

「グロズゲのばがぁぁぁっ」

「ぎゃあああ!!」



マロンの瞳に溢れんばかりの泪が溜まる

クロは慌て、アランが宥める間も無くマロンは爆発した



——————————————————————————



「で、どうすんだよこれから」

「レオン様に伝えて、エリザベス様に預けるさ」

「ふーん」


むっつりと外を眺めながら言う黒猫クロ改め、クロードはマロンにボコスカ殴られてボロボロだ。




「勝手に死ぬなんで、ボグ悲しがっだんだがらぁ」


アランの腕の中からクロードへと襲いかかったマロン

バカバカと泣き喚きながら胸を叩いた

普通の女の子と男なら死んだと思われていた人との再会で微笑ましい光景になったであろうが

力溢れるマロンのそれは、あっという間にクロードをボコボコにしたのだった。


「お、まっ、ちょっ、」

「言い忘れていたが、マロンは賊を殴り倒すくらい強い」

「え、ぐはっ、なにそのチート!ずるくね、痛えっ」

「ちーと?」


聞いたことの無い言葉に首を傾げるアラン

ひとしきりクロードに発散したマロンの勢いが弱くなった所で両脇に手を差し込んで引き離す。


マロンがアランに抱きつくと

苦笑しながらもヨシヨシと背中をポンポンとあやしたのだった。


幼い頃の妹タチアナはアランにベッタリと懐いていて

似たように癇癪を起こす事もあったので、アランにとっては慣れたものである。


「超痛え・・・、もっと早く助けてくれよ・・・」

「それは無理だな」


ぐったりとしたクロードの抗議の一言があったが

感情が爆発している子供に正論や力づくは悪手だと知っているのでアランは落ち着いて対処した。

その証拠に、アランにあやされたマロンはその腕の中で体力を使い果たし寝ていた。






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