表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
20/170

おかしな人でして

「分かったか? 今日のは一段と酷かったが最近は似た感じで男爵令嬢が絡んで来るんだ、主に昼と放課後、合同お茶会の時や突発的に来る時もあるがな」


うん、あれじゃあ確かにエリーも疲れてため息も吐くね

理解不能だし、だからといって愚痴をこぼしてもボクも困惑しちゃう。

エリーが言わないのも納得の意味不明な行動だ。


「頭のおかしな女、と切って捨てるにも出来ない問題もあるが・・・」


え?


アランの話を聞くとボクは戦慄した

明らかに狂言なのに極一部でエリザベス公爵令嬢が身分を笠に本当にいじめているという噂が出始めているのだとか。



例えば・・・


エリーが階段を通り掛かった時

ふと視線を感じて階下を見下ろすと男爵令嬢が居た

パチリと目が合ったそうで、まるでエリーを待っていたとばかりにフラリと床に倒れ伏した

目の前で倒れられては無視も出来ず、大丈夫ですかと声を掛けつつ階段を降りようとした瞬間


「きゃあああ!エリザベス様なんて事を!!」

「え?」


他の令嬢が来て、エリーが男爵令嬢を突き落としたと言い始めたのだ。


構図を考える


階段下に倒れる人と階段上に居る人を見たらそう思うかも知れない

しかし、普通に貧血か何かで倒れた人と通り掛かった人とも見えるのにも関わらず

「エリザベス公爵令嬢が男爵令嬢を突き落とした」

と言い出す自称目撃者、


これに激怒したのは婚約者のレオン

穏やかな表情で静かに問い質したそうだ


「家名に誓って貰おうか」


その一言に青ざめる目撃者

それはそうだ、家名に誓えば自分一人の問題ではなくなる

偽りを口にすれば自分も只では済まない上に誰も助けてはくれない。

そして本当にエリザベスが男爵令嬢を突き落としたのであれば、素直に「本当に見ました」と訴えればよかった話だったが、顔色を変えたことでレオンに嘘と看破されてしまった。

そもそもエリザベスを疑う気持ちは欠片もない、最初から目撃者の方を疑っていた。


しかし意外と頑固であった目撃者は口を開かず、一度家に返した

「よく考えるといい」

とキッチリ釘を刺して・・・


問題は次の日

目撃者は病気になり領地へと行ってしまったのだ、王子の呼び出しを無視して。

更に学校内には噂が広がった


「エリザベス公爵令嬢が男爵令嬢を階段から突き落とした」

「目撃者が居たが公爵家の力で揉み消し追い出した」


事実無根であるのに、男爵令嬢は包帯を巻いて登校

目撃者とされる令嬢は休学で消えた

バラバラのピースを面白可笑しく加工して広げられた


嵌められた


明らかな意図を以てエリザベスを陥れようとする者が居る

男爵令嬢は勿論のこと、目撃者、更にはその裏で手を引く者も居るはずだ

しかも公爵令嬢であるエリザベス、婚約者である王子レオンを敵に回してさえそんな事をしようとする輩が・・・


目撃者の方へは遣いを出したが、片田舎に近い土地へと向かわれた為、調べをつけて戻って来るまで時間が掛かる


聞けば聞くほど良からぬ企みにエリーが巻き込まれているようで不安になってしまった。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ