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クロード 1

王太子様とレオンにあがってきた報告書を俺は見ていた。

なんで?


アランが結構バキバキでレオンを手伝える人材が居ないから?

おいアラン、お前が1人で頑張るから後輩が育ってねえぞ

自分が居なくても回るようにしとけよ!

王太子様は「クロードの柔軟な考えが必要だ」と言ったけど、俺でも恐竜出て来た時点で思考放棄してるんだが?

黒猫転生した非常識な存在が言うなって?

その通りですね・・・


アランは右鎖骨骨折、右肩脱臼、打撲にむち打ち、重度の足首捻挫。

うん、仕方ないな・・・

だって城の2階に居た俺と空飛ぶアラン、目が合ったからね、恐竜が暴れてスポーンと放り出されたアランと。


取り敢えずレオン王子の付き人(仮)は継続だ

屋敷に帰って白猫を愛でたい・・・



「どうだ?」

「どうだ、って・・・」


俺が読まされたのはあの首謀者の行動記録だ

皆、ティラノサウルスとラプトルに懸かりきりでどさくさの内に姿を眩ませた首謀者、めんどくせえなA(仮称)にしよう。

と言っても、ただ逃した訳じゃなくて、きっちり数名の騎士が捕縛に動いていた。

でも新手のラプトル2匹に邪魔をされて、その相手をしている内に姿を見失った。


で、Aが何処に行ったのか

何故か城内にある法務局、貴族戸籍科を襲撃したそうだ

当時城内は見回りの騎士なんて居ないので、割かし奥にある法務局まで容易に侵入出来たらしい。


城内全域は事前に緊急体制を敷いていた為、女性の使用人は家に帰し、必要最低限の人員だけ残っていた。

法務局には生き字引なおじいちゃんが1人のみ、Aはおじいちゃんにナイフを突きつけて聞いたそうだ


「養子縁組の書類はどこだ」


場所を聞き出したAはおじいちゃんを縛り、書類棚を荒らして1枚盗っていったのだとか・・・



王太子様は他にも仕事があるからと、今はレオンの執務室で聞かれていた。


因みにおじいちゃんは縛られた際に手首が折れたらしく、それを聞いた王太子様とレオンの目がメチャクチャ怒っているように見えたんだが、どうやら小さな頃から多忙な王様と王妃様に代わって教育係として世話になっていた(じい)らしくて家族同然の存在とか。

A、地雷踏み抜き過ぎじゃね?



「養子縁組の書類って、誰のを盗られた訳?」


国盗りに来たアホAが、わざわざ戦力の大半を失ってまで紙1枚だけ狙うなんて違和感しかない。


「じいが治療中で確認は取れていないが、恐らくマロンの養子縁組契約書類だと・・・」

「マロン? なんでマロン?」

「それが分からないから相談している」

「うーん、例えば養子縁組書類を書き換えて、貴族になれるとか成りすましとかそういうのは?」

「それは無い、各貴族の家印と血判が押されているし、マロンの養子の際にはリュミエール伯爵家だけでなくマスティーゼ公爵家とメイベル侯爵家の後押しもある、仮に国内貴族の誰かが協力していたとしても、力のある三家を謀るなんて死にに行くようなものだ」


よくある戸籍乗っ取りとかそういう線ではないのか

まともな貴族なら国家転覆に手を貸すなんて有り得ないもんな。

つか血判て怖っ、いや、指紋と一緒で血も唯一を証明する方法だからアリなのか?

うん? 血?


「失礼します」


執務室には続々と報告書が集まってくる

今来たのは、なんだろ、レオンの顔が歪んだ


「クロード、見ろ」

「なになに・・・」


薬物分析報告書

あー、マロンがリオンの腹から持って来たアレか

なになに・・・、うげ。


グレープフルーツくらいの大きさの真っ赤な結晶は先だって大講堂で回収されたクスリと同じ成分だと判明。

2割が解析不能、未知の物質、これは多分科学成分なんだろうな、いや化学? まあ詳しい事は本職が頑張るだろ。

残りの8割が、ひとの血液・・・


マッド野郎め・・・


「不幸中の幸いか、サンプルは十分に手に入ったからな、成分不明でも中和出来るような物が出来れば変容した肉体に効果があるかもしれない・・・」

「まあ、そこら辺は俺も知識ないから何も言えないけど」

「本人を捕まえて吐かせるのが早いのだが」


吐くかね? 吐くか、王族リオンと高位貴族の被害者達

国家転覆に騎士団への損害、家族同然のおじいちゃん骨折

うーん拷問だな、最初から素直に吐いても嘘を言っているかもしれないって痛めつけられそう・・・

現代社会じゃないこの世界、王政にして貴族制度

犯罪者の人権なんて無いに等しいからな。







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