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学校に行きまして

影から聞いた話によると、最近構内ではとある話題が拡がっていた

第二王子レオンの弟リオンが男爵令嬢に入れ込んでいる

しかもその男爵令嬢をエリザベス公爵令嬢がいじめていると言うのだ。


「ジジジ・・・」なんだよそれ!


マロンの口から不機嫌な音が漏れた

オコジョが本気で怒りを表す時の鳴き声である

鼻筋に皺を寄せて犬歯を立てるその姿は、本人が怒ってる風の「カッ」とは全く違う


話していた護衛もそれを察した


「おいおいそんな怒るなよ、まあお前が学校に来るくらいだエリザベス嬢の事を心配して来たんだろうけど、なんの為に俺達のような存在が居ると思ってるんだ」


え?


「俺達の役割は諜報と護衛だぞ、現在この構内に居る護衛対象はレオン王子とリオン王子、そしてレオン王子の婚約者エリザベス公爵令嬢もだ」


おお、つまりエリーの事も分かってるんだね


「エリザベス嬢が男爵令嬢をいじめているなんて事実は無い、どちらかと言えば・・・、いや、」


「?」


口ごもった影の人は何かを言おうとしたけど、結局何も言わなかった


「不確かな事は言えない、職務上な」


そして影の人はボクにエリーとタチアナちゃんの時間割りを見せてくれた、どうせ飼い主か友達を見に来たんだろ?

と、立場上王子達のスケジュールは明かせないと言っていたけど充分だった。

影の人はとても察しがよくて言葉は通じないのに意思疎通出来た。


ボクは影の人と別れると校内へと忍び込んだ。







オコジョの視点はとても低い

立ち上がって周囲を確認しては走る、また立ち上がって周囲を確認して、と校舎を歩く。

影の人の情報だと1コマ50分の授業だから、その間は殆ど廊下には人が居ないのだ。

今の内に歩き回って間取りを確認しておこう!


一番最初に来たのはエリーの教室

窓の淵に爪を引っ掛けて、そーっと中を覗く


「、であるから、~」


教室には教師と生徒二十人位が居て、エリー、タチアナちゃんにレオン、リオンも居た

影の人は王族の予定は話せないと言っていたけど

皆同じクラスなら言ったも同じだった、さり気ない気の使い方に今度お礼をしようと考えた。


エリーの真面目な顔はあまり見たことがない

ボクの記憶の中では真っ先に笑顔、そして寝顔の割合だ

こうして見るキリッとしたエリーはツンとして凛々しくも可愛い、違う一面を見られて少し得をした気分だ。


サラッと中を見回し、流石に授業中だけあって何も起こりそうにないなと思った瞬間


「あ」


あ。


思い切りレオンと目が合ってしまった

レオンはつまらなさそうに講義を聞いていたけど、目を見開いてエリーを見たりボクを見たりと忙しくしていたが・・・


「レオン様?」


不審に思った教師に声を掛けられていた

うーん失敗失敗

淵から爪を外してボクは隠れる場所を探りつつ大きな校舎の探索を再開した。


庭園に、オープンテラス、食堂、図書館、ダンスホール


なるほどなるほど。

間取りを概ね確認したボクは教室からぞろぞろと人が出てきたのが見えたので近くの窓から外へ飛び出して、生け垣の中に身を潜めた。








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