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決戦 4

男曰く、自分は天才である

この世界とは違う、文明の進んだ世界から来た

化学の力を使って男は帝国で成り上がった

ある日、神獣とも賢獣とも呼ばれる存在を目にし研究所に迎えたらしい。

動物の力を持つ人間に知識欲を刺激され実験をした

しかし天才である自分を妬む奴らが邪魔をした。

人体実験など許される所業ではないと牢に入れられた、許せない、



うーん、マッドサイエンティストだ

同郷で恐らく同じ日本人なんだろうけど、そりゃあ科学に精通していたらこの世界では成功が約束されているだろう。

だからって人体実験とかはないだろう

王政や貴族制が敷かれているから権力者がある程度好き勝手出来るのは分かるけど、王家だってそんな事はしない筈だ。

・・・いや、重犯罪者とか鉱山送りにされるような人間に対してはやってそうな気もするけど、それでも高らかに宣言出来る話じゃない。


「マッドじゃん・・・」


て言うか煽てられてペラペラ喋っちゃう辺り、頭のいいバカって感じだ。

まあ王太子様が下手に出て、へりくだりながら

「その叡智を我らにもどの様なものか教えて頂けないだろうか?」

なんて言うんだから、顕示欲の塊っぽいアイツは気分よく喋っちゃうか・・・

帝国が自分の有能さを妬んだとか唾飛ばしてるし。


この王太子様は本当に油断ならない

今もご機嫌伺いのように話を引き出して()()()()してるし、ティラノサウルスには早々にマロンをぶつけるなんて決めてしまっているし、裏では攻城兵器を準備させている。

最悪、油をまいて城を焼き尽くしてでも敵を倒すと言ったし優先すべき事が何か理解してる為政者って感じだ。



「貴様は使えそうだな、どうだ? 私とて鬼では無い、無血開城も考えないでも無いが?」


バカだ。

人体実験なんかして帝国を追われた奴に国の象徴である城を渡す訳がない、それこそ燃やしてしまった方がマシだろ。


「相当の学者と見たが只の異常者か子供か、こんな奴にリオンは・・・」

「クロード、あの恐竜(ドラゴン)はどうにか出来る生き物なのか?」


レオンは悔しそうに睨み、アランはバカよりも明確な脅威であるティラノサウルスの事を聞いてきた。


「多分無理、基本の生態はラプトルと同じだ」


鎧を着ていようが生身であんなのと戦って倒すなんて無理に近い、銃火器かダイナマイトでも作っておけばよかったか?

いや、それはそれで今後面倒だし、今更作ろうたって時間が無い。



ふと城門の上から騎士が合図を送った、バカと恐竜は城側に居る王太子達に向いていて気付かない。

王太子様は横に控える副隊長を見た

副隊長は小さく頷く。


「・・・悪いが、愚か者に渡す物など土のひと握りさえ無い」


王太子が明確な拒絶を伝えるとバカは大袈裟にため息を吐いた。


「はあー、これだから文明遅れの田舎者は嫌なんだ、私の貴重な時間を消費しながらもコレだ、まあいい、ふふふ」


簡単に国を手に入れられるとは思ってなかったのか、バカはニヤニヤ笑いながら言った。


「このティラノサウルス、見覚えは無いか?」

「悪いが爬虫類の友人は居なくてね、良ければ紹介してくれるかな」

「ははははっ! 酷いなあ家族に向かって、()()()()()()()だろう!?」


「「「っ!?」」」


その言葉に騎士も、そして王太子さえも動揺した

勿論俺もレオンもアランも最悪の想像を頭に浮かべた、


「まさか」

「そのまさかだ、私は神の獣をクスリとして確立させた! まあ元となったトカゲ男は死んでしまったがね、残りの血液を全部使って創り上げた最高傑作リオンだよ!」


その時、常に微笑みをたたえていた王太子の目が完全に温度を失った事に気付いたのは何人居たか・・・


「やれ」

「はっ! 皆、今だ!!」


副隊長の号令が掛かったと同時に王太子は騎士数人と城へと入った。

ドォン!と城門が閉じられ退路を断ち、ヒュと空気を切り裂く音が馬鹿に突き刺さる。

狙撃したのは腕利きの弓兵2人、1本は足を掠め、もう一本は肩へと当たった。


「ぎゃあああ、痛いィィィ、くそっ!くそっ!!やれ!リオン!!皆殺しだ!」


恐竜の咆哮が城を包みこんだ。






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