決戦 3
「わー」
うーん、高い。
3階も4階も変わらないと思ってたけど、ちょっと背筋がヒュンとする。
あ、スカートの裾が捲れちゃう! 押さえて・・・
クルッと適当に何回か回って着地だ!
ドゴッ!!!
良し!少しズンとしたけど大丈夫だった
次からは3階までにしておこう、っと。
「あ、石畳割っちゃった・・・、あー、どうしよう」
宮の物は壊さないようにって言われてたから怒られちゃうかも、どうしよどうしよ・・・
騎士の人にも見られちゃった。
「あ、えーっと、ごめんね? 後で直すから・・・」
「あ、ああ、いやそれはこちらで直しておくよ気にするな・・・」
「え、良いの?」
「それより、」
「お城だよね! レオンが呼んでるって聞こえてたよ」
「ああ・・・」
うん? 騎士さん達はみんなポケーっとしている、どうしたんだろ?
まあいいか、緊急だから急ぐんだよね。
「何処に行けばいいの?」
「あ、っと、城門に行けば、分かる」
「分かった!」
「あっ、ちょっと、馬で送っ・・・・・・」
お城の方へ行けば分かるね!
出入り口はまた閉じられていたから跳んで上に乗った
振り向いてバルコニーを見るとエリー達が見ていたから、手を振ってから急いでお城に走った。
***
時はほんの少しだけ遡る
俺はどうして城に残ったんだろう・・・
レオンとアランに恐竜の事を教えてくれと言われ、王太子様も交えて知る限りは伝えた。
と言っても、某恐竜テーマパーク映画程度の知識しかない
思えばこの時点で侯爵家に帰れば良かったんだ、戦うなんて無理だし、つうかこんな化け物相手なんて戦える人間なんか居ないだろ・・・
グオオオオオオオーーッ!!!!
空気が震える、体が震える、膝が震える
城門を辛うじて潜って来た恐竜が居る、その恐竜の周囲には、まあラプトルが20居るか居ないか・・・
ラプトルなんかトカゲに見えた、そりゃそうだ恐竜の王様
ティラノサウルスが目の前に居るのだから。
首謀者と思われる男も居た
大講堂の騒ぎの時、裏で聞いたあの男の声だ
黒髪黒目の男は恐竜を侍らせ、国王様を呼べと叫んだらしい。
普通は突っ撥ねる所だったが、まあティラノサウルスなんか来たら上の判断を仰ぐのは当然の対応。
王太子様、レオン、アラン、騎士団の副隊長、俺クロードが一緒に城を出て固まる、勿論周囲は騎士団でガチガチに囲まれていた。
「はははは! 出迎えご苦労!」
男は上機嫌に語り始めた。