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事件 6

「えっと、取り敢えずリオン捕まえた方いい?」

「う、うーん、捕まえるって言うか医者じゃね?」

「ちょっと尋常じゃないから近付かない方が良いんじゃない?」

「マロン・・・」


護衛の特訓の中で異常者に対する話はあった

酔っ払いとかクスリでおかしくなった人が居た場合だ

何をするか分からないから速やかに縛り上げる事と


「捕まえるよ? ボクが掴んでおけば・・・」


「まあ・・・」

「そうね・・・」

「気を付けてね・・・」


壇上に居るリオンの近くに寄る

リオンはグエグエ言っていて相変わらずおかしい

ちょっと気持ち悪い・・・


「ア゛ッ!」

「え?」


リオンを捕まえようとした瞬間、リオンの瞳が縦に割れた

トカゲとかヘビみたいな縦筋のある瞳に。


「キャアアアーーッ!」

「おい、マロン!」

「へ?」


誰かの叫び声とクロスケの呼ぶ声に振り向く

エリーとタチアナ、クロスケの先

ボクが入り口の扉の方に投げた奴が立ち上がってフラフラと歩いていた。


「あ、ギ、ギィエエエエ!」


男はエリーに向かって駆け出した

ボクは間に割り込んで迎え撃つ、無事な左腕を振り上げた奴の手を見てギョッとする。

爪だ、かぎ爪が手から・・・

爪に触らないように手を掴んで受け止めた

ズズ、と少し押された、なんかさっきより力が強くなってる。


「おいおい、バケモノかよ・・・」


クロスケの声が後ろから聞こえた、バケモノだ。

だって、男の唇が端から耳まで裂けてギザギザの歯が生えている。

裂けてる皮膚の周辺はウロコが・・・


「ひ」


エリーの怯えた声が聞こえた

男の瞳もリオンと同じで縦筋が入っていて、トカゲみたいな眼になっている。


「ガゴ、グエ、ギャァ!」


うう、気持ち悪い

暴れ始めたから顎を殴る


「あれ、わっ!」


効かない、なんか硬い?


「おい、大丈夫か」

「大丈夫、加減が分かんないだけ」


ちょっと強めにお腹をパンチ!


「ギャっ」


効いた、かな?


「やったか!」


フラフラになったけど、まだ動く

もう少し強めにパンチ!


「グエ、げぼぉ・・・」

「ぎゃっ」


吐いた・・・

汚いから離れる、くさいくさい

まだ動くかなと思ったけどそのまま倒れて動かなくなった。


「なにこれ・・・」



エリーとタチアナは顔を白くして震えている

クロスケは、居ない?

あ、リオンも居なくなっていた。

大講堂内に沢山人が居るのに誰も音を立てない、静まり返っていた。



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