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歳をとりまして

エリーに拾われて10年が経った

ボクは年齢不詳だけど、オコジョの平均寿命を遥かに超えて生きている。

その辺りは流石に神様の用意した代替オコジョボディ

病気に罹ることもなく、元気に過ごしている


エリーは15歳、とても綺麗に成長した

当時心配されていた婚約者の王子との関係も・・・


「ベス、はいあーん」

「あ、あーん・・・」

「どうだい、今流行りの菓子店のケーキなんだが」

「お、美味しいです、レオ様」


甘々な関係になりました

エリーが幸せならボクから言うことはないよ

これまでもこれからも笑顔にさせてくれるならね。



「・・・」

「お兄様、顔に出過ぎですわよ」

「いや・・・」

「ふう、まあ言いたいことは分かりますけども」


此処は王宮の庭園

私的なお茶会としてレオン王子がエリーを誘って

いつもの様に従者のアラン、妹でエリーの友達タチアナちゃんも居る。


あまりの仲睦まじさに、王様と公爵によって二人きりを完全に禁止されてしまったのだ。

「未婚の男女が二人きりなんて以ての外」

などと、尤もらしい理由で。


近年、砂を吐きかねない様子を見せられるアランとタチアナは堪ったものではなかった

レオンとエリザベスのテーブルから適度に距離を取って兄妹が見守る、そんな不思議な光景が繰り広げられている。


ペット達は二人の仲を取り持つ切っ掛けになったので

この四人が集まる時は必ずお呼ばれされていた

タチアナの膝にはクロ、アランの膝にはマロンが座る様になった。



砂糖を半匙、ミルクを少々

紅茶をかき混ぜてアランに出すオコジョ

「キ」

「ありがとう」


「ふふ」

「ん?どうしたタチアナ」

「いいえお兄様、当然のようにマロンさんのお茶を受け取っているものですから」

「む」


王子達の二人きりじゃない二人きりの時間は

オコジョも空気を読んでエリザベスから離れていた

クロの居場所はタチアナの所だったので、自然と手隙のアランと接する事が増えていたのだ。


大体はアランの肩にマロンが乗っていたり

今のように侍女が淹れた紅茶に砂糖を入れて、はいと渡したりしている事が日常になりつつあった。


なんだったら、オコジョ用にリサイズされたカギ棒を使って毛糸で何かを編むマロンを膝に乗せたアラン、というのもある。


オコジョの辞書に自重という文字は無かった。



「マロンお前もう少しオコジョらしくしてた方が良いんじゃね?」


とは黒猫談。

そうは言ってもクロもクロでオコジョ発案の文字盤会話をタチアナとしているので、あまり人(?)のことは言えない。




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