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きみは、とうめい。  作者: 桜野 はなみ
1/1

違和感

桜野 はなみの初投稿作品。


短い連載小説。




とうめいなあの子、それから僕の、悲しい悲しい恋のお話。

いつも通りの朝がやってくる。


朝、飲み慣れないコーヒーには角砂糖は3つも入れてしまう。でも苦い。僕は、大人にはなれやしない。

遅刻してしまうから、パンをくわえて走り、美少女とぶつかる________なんてシチュエーションはない。ちゃんと着席してパンをかじる。遅刻はしない。




「いってきます」


と小さくつぶやくも、聞こえてくるのは猫の小さな鳴き声。親は寝てる。別に寂しくはない。これが僕の家の日常なのだから。



家のドアを開ければ、家の前には一人の女の子。…ほら、寂しくないだろう?

黒髪、つぶらな瞳、赤いぷっくりとした唇。学校にいれば絶対にもてる。そんな子が立ってる。


おはよう、の代わりに小さく手を振ってくれる。

彼女ではない。僕が一方的に好きな人だ。




「おはよう」


僕も返してあげた。すると、彼女はにっこりとひまわりみたいな笑顔を見せる。

そう、可愛い。可愛いのだ。可愛いのだけれど、今日は違和感だった。


(おかしいな…。何も変わらないのに。)


そう思いながら、彼女と歩幅を合わせて歩み始めた。





土曜日、日曜日を通り越しての月曜日。


「ねぇ、今週末、どこにいってたの?」


僕が言えば、彼女は考える素振りをし、しばらくすれば「わからない」と言いたげに、苦笑いをしながら首をかしげた。忘れちゃったのかなぁ。






そういえば、僕はどこに行ったんだっけ。



どこかに、言った気がするんだよなぁ。すごく、大事なのに、早く忘れたかったこと。








真っ黒な服を着て、みんなでどこかに__________________


まぁ、夢かな。






僕は、少し早めに歩きがちな彼女の隣に並んで歩いた。



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