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召喚勇者日記  作者:
4/6

7日目と8日目

2018年 6月27日(水)

夢のような休日が終わって現実のお時間、またオッサンに囲まれての訓練が続く。

せめてもの救いは訓練場に居るルシィの存在か。

目が合った時に手を振ってくれたのもあって、前時代過ぎるスパルタ訓練もなんとか乗り切れた。

ルシィのあの癒し具合は、巫女さんがアイドルとするなら、身近にいる可愛い幼馴染な感じ。

まぁ元の世界の可愛い幼馴染は年々距離が出きて、最終的にはイケメンスポーツマンの先輩に取られたが、勇者とかの肩書が無い俺だと当然の帰結だった。

だから仕方ない、先輩に嫉妬してる奴や嫌ってる奴に偶然先輩の嫌いなモノや苦手なモノの話題を出しちゃっりしたのも会話のネタが少なかったからで仕方ないし、ノリでネット注文して持て余してた某魚の缶詰を欲しがってたからあげたのも友人なら仕方ない事だ。

いやぁ、あの後の緊急集会とかも先生達がガチギレしてて大変でしたね。

けど今更戻れるかも分からない元の世界についてはどうでもいい、重要なのは今なのだ。

ちょっと訓練に余裕が出てくると重しを足してくる騎士のオッサンがムカついたり、魔術師のオッサンが丁寧に教えてくれるってのに未だに百均グッズの方がまだ使える程度の成果しか出せてなくても、まだ一週間。

こっちの国にしても一年は様子見の時間を持てるようにしてるって巫女さんから聞いてるから、時間の余裕はある。

将来どんな選択をするにしても、今は手札を増やす事に集中しようと思う。


2018年 6月28日(木)

相変わらず面倒な修行が続く日々の中でとんでもない事に気が付いてしまった。

そう、それは騎士のオッサンに肉体を痛めつけられ、魔術師のオッサンに知識を頭に押し込まれ、侍従のオッサンらに風呂に放り込まれ、疲労困憊で部屋に戻った一時間前ぐらいの事だった。

なんで風呂を世話してくれるのが年頃の女の子じゃなくて経験豊富そうな侍従のオッサンらなのかと愚痴を言い続けてたら、何時もなら気にしない程度に湿気ってた髪が異様に俺の癪に障ったのだ。

かと言って自分の髪を毟るわけにもいかずにイライラしてたらふと、魔術を使えばいいんじゃないかと天啓が下りてきた。

俺の魔術はまだ人を怪我させれる程の火力はないし、丁度いいだろうと魔力を操作しながら半分ふざけに「ドライヤー」と言いながら魔術を使ったその時!

頭に向けた手のひらから勢いよく熱風が飛び出て俺の頭を炙ってきたのだ!

思わず悲鳴を上げてベッドから転がり落ちた俺を誰が責められるだろうか?因みに悲鳴を上げてベッドから結構派手に落ちたにも関わらず誰も「大丈夫ですか!?」とか言って部屋に入って来る事は無かった。

部屋の前に監視や護衛が居るでもないし、控え部屋とかも無いからメイドさん達が詰めてる訳でもないから当然っちゃあ当然だけど釈然としない。俺は勇者で重要人物なんだから、もっと手厚くお世話してくれてもいいんじゃよ?マジで。

まぁそれはさておき、ここで俺は魔術師のオッサンの言葉、具体的に言うなら 三日前の6月25日に言ってた、『魔術の神髄は想像力であり~』を思い出した。

ファンタジー魔法はあくまでゲームや漫画の中でしか触れて無かったから曖昧だったが、ドライヤーみたいな日常品は実際に使ったりして具体的なイメージがある。

これに気付いた時は正にエンドリアーン!と叫べるテンションだった。

これぞまさに巫女さんの御加護、今日から俺の魔法チートが火を噴くぜ!って感じで幾つか試してた結果、一つの事実に思い当たった。

ドライヤーとかチャッカマンとか扇風機とか水道とか双眼鏡とか懐中電灯とかは再現出来た。

けど、実際に戦力になりそうな、水圧洗浄機とかバーナーとかみたいなのは使えなくて、ムキになって部屋の中だけど火炎放射器とかバズーカとかイメージしても反応しない始末。

意味が分からん。

今はついさっきまで高まってたテンションで気分爽快だったが嘘みたいながっかり感しかない。

正直、不貞寝したいのを我慢してコレ書いてる。

明日、魔術師のオッサンに聞いてみようと思う。





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