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セルビアと僕の日常

作者: レイン


セルビアに

聞いたらもう忘れたらしい



明日も明後日も

どんなことも


そして夢


もういいよって

思って

忘れたらしい


頑張ってくれるのも

励ましてくれるのも

今日だけで十分らしい


根っ子の部分は不安定で


楽しもうってウズくらしい


それをちょっとずつ無くす作業


悲しいとか思って欲しくないなぁって


ズルい言い方

こんな悲しくなる

なんて


笑顔で言うなよ


セルビアは伝えてくれた


風が吹いて


羽ばたいて


ふわふわっとしたって


ああいうのはもうないよって


自分の体じゃないみたいに

早く走って

心が追い越して


心は飛び出して

振り向いて自分を見てみたって


走るフォームがカッコ悪いなぁと思ったって


でも一番速く走って




僕の息子を助けてくれた


車に怯えて動けなくなっていた息子を


僕は働いてて


運動会とかいいやって思って


学校からの電話で死ぬほど


本当に死にたくなるほど後悔して


親友の君に謝った

何度も何度も


深く深く


下半身が動かなくなってしまったけど


あの瞬間が最高に幸せだったって


また笑顔


僕はずっとぐしゃぐしゃの涙目



ずっと涙目


‥‥



しばらくたって


病室を出ると


息子が立っていて



息子も僕以上に目を腫らして


僕にたくさん謝った


僕が来ないことが悲しくて


上の空で気づいたら車が近づいて


動けなくて


助けてもらって


ごめんなさい


ごめんなさい


ごめんなさい



僕はまたたくさん


もっとたくさん泣いた



頑張っているつもりだった


しっかり守っているって



全然駄目だった


見てあげられてなかった


守ってやれなかった


息子の心を傷つけて



セルビアの体を傷つけて


大好きな‥‥


本当に大好きな二人なのに‥‥‥‥





セルビアは助けて

くれた



子供の時、虐められていた僕を


それが出逢い





セルビアとの話は漫画の話と音楽の話


同じものを見て


同じものを聴いて育った


ずっと二人で居すぎて


からかわれる事が多かった


セルビアがどうだったか分からないけど


僕は嬉しかった



中学の頃


セルビアに告白をした


‥‥‥‥当然振られた


でもセルビアは誰とも付き合わなかった


結局一番近くに僕はいて


それで満足してたつもりで傷ついていた




少したつと高校生になり


セルビアは居なかった


居なくなって欲しいと願っていた時もあった


近くにいると

苦しくて

苦しくて

胸が張り裂けそうで



セルビアは高校に行かず働いていた


家庭の事情というやつで‥‥


別々の道を歩み始めた



僕はまだ心が幼くて



振られたショックもあったりして



遠ざけたくなった事をうしろめたく思い


少しずつ



少しずつ



会わなくなった



セルビアも知ってか知らずか


何も言わなかった




僕はその後


普通に就職をして


会社員として働き



職場恋愛が実って


結婚して、子供が産まれ





そして、離婚した


色々な理由はあるけれど


離婚してほしいと言われて


それほどショックではなかった‥‥‥‥







息子を引き取らせてもらい


話は穏便にすんだ‥‥


僕が愛していなかったのかな?




‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥


自問自答した


だから寂しくさせてしまって


浮気をさせてしまったんじゃないかって



実家に戻り


実家から会社に通うことにした僕は


ある日偶然セルビアと再開し、

離婚の話をした



セルビアは激怒した


相手の居場所を教えろって


性根が腐ってる


ふざけるなって


僕の胸ぐらを掴んだ


僕は全然悪くないって


何度も

何度も

言ってくれた



セルビアの言葉が

本当に嬉しかった



この時やっぱり気付いてしまった



ああ僕はまだセルビアが好きなんだなぁ

って


何時間もかけて

もう終わった事だと


何回も

何回も

説明して


朝が来て

日差しが差し掛かる頃


やっとセルビアは寝てくれた






その日以来


僕はセルビアと付き合いたかった


幸いセルビアはまだ結婚しておらず、彼氏もいなかった。



何度か遊ぶうちに息子もなついている


だから僕はセルビアに見合えるよう


仕事をしなきゃって思った


そしてチャンスが回ってきた



社運をかけたプロジェクトのリーダーに抜擢された



成功すれば昇進は確定する


今だけは


息子に寂しい思いをさせるけど


今だけは


仕事に集中し


そして


そして


成功したら❗❗


堂々と

セルビアを迎えられるように成りたい


代理をセルビアにお願いして


拗ねる息子を任せて



運動会の日



僕は仕事に行った







セルビアは独り立ちして自分の店をやるのが夢だった


みんなが笑顔でお酒が飲める店にしたいって


夢を奪ったのは僕


絶対に間違ってはいけない選択を間違えた




僕はプロジェクトに成功して昇進した




それでも歪んだ景色



大切な時間を戻せない



落ち込みつつも

セルビアの病室に通った


暗い顔をしてると叩かれた


それでも親か

しっかりしろって


そして息子に満面の笑みで構ってくれた


落ち込みがちだった息子も少しずつ笑顔を取り戻した



この曲でも聴いて頑張れって


昔一緒に聴いてた曲CDを渡された


屈託のない笑顔


誰よりも輝いて


誰よりも僕の幸せを願ってくれた人




だから


だから


もう告白しちゃ

ダメかなって思い


顔を見ると

また大好きになった




いつまでたっても優柔不断


あんたも人の親になったんだ


ウジウジしてないで当たって砕けな❗


母からの激励で我にかえる


今言わなくちゃ

一生言えなくなる


僕は何も用意せず


セルビアの病室に向かった


ただただ思いを伝えに


僕が病室に入るとセルビアは夕陽を見ていた


僕は見とれてセルビアを見ていた


やがて

何してんの?って顔で僕を見るセルビアに言った



『僕はセルビアを一生支えていきたい、どんな苦難が待ち受けていても僕が必ず守る、負い目も少しある‥‥‥‥でも君のことが‥‥‥‥子供の頃からやっぱりいままでずっと好きなんだ❗気持ちに嘘はつけない❗だからこれからはもっと近くで漫画や音楽の話を続けていきたい、僕が死ぬまで一番近い場所にいてくれませんか?と言うより結婚してください❗』


足はガクガク


手は震え


‥‥‥‥


返答までの時間心臓が押し潰されそうな感覚に陥った





数時間も待たされた感覚の後


セルビアは中学の頃のように僕の頭を撫でて言った


『君の気持ちは本当に嬉しい、確かに私が生きてきた中で私は一番君のことが好きだ。この気持ちに嘘はない、だから足が動かなくても全然後悔してない、むしろ誇らしく思う、君が一番大切にしている命を守れたのだから‥‥‥‥その時思ったんだ、私の君への思いはLikeであってLOVEじゃないって 、だからごめんなさい、これからも近くにいるから親友でいましょう‥‥‥‥それに私達は女じゃない❗』って






読んでいただきありがとうございました


今後も定期的に書いていきますので

もしよろしければ閲覧よろしくお願いします

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