表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生チートの意味がない。  作者: おうさとじん
5章:王都で大奮闘…できた?
59/67

057 やっぱり意味の無い私の属性。

6/1にミス投稿をしています。削除せずに、内容を一新してありますので、お読みで無い方は「王宮毒殺未遂事件!?」「愚痴、グチグチ。」を読んでからどうぞ~


7/27 ルビ修正。

 「不可能です」


 ズバァッ!っと切り捨てるような声は、我が愛しの熊さんから発せられました。

 「不可能ってどういうこと?」

 マー様が不愉快そうな顔をしています。

 「以前ご説明した通り、瞳の色は感知能力の高さを表します。ミーレリリーは感知、耐性の高さでは王警団随一です。しかし、髪の色が薄い。彼女の検知能力は、限りなく低い。何がどの毒なのか、彼女はその種類や効能を検知することは出来ません。毒だ、これは弱い毒だ、強い毒だ。その程度しか判断をつけることが出来ないのです。その事は、既にお話した筈です」

 久々の旦那さまが強気熊だからか、なんだかちょっとドキドキしてしまいます。低い声に、ビシッと撫で付けた髪、きっちりと着込んだ団服、キリリとした顔……はぅん、かっこいいですよ!

 「それでもいい、という話でミーレリリーを王警団に入団させたのではなかったのですか」

 「それはそうだよ?でも、まさか消毒液と毒の区別が付かないなんて思わないよね?」

 まぁ、自分でもびっくりでしたけどね。まぁまぁ強めの毒を感じるなーって思ったら、消毒液ですからね!ハハハ!

 「ミーレリリー」

 熊さんに声を掛けられます。お仕事中なのでフルネームで呼ばれているんですが、これもこれでいいですね……フフ。なんて、お花畑から帰還しないとですね!

 「はい?なんですか、グラフィーオ」

 「貴女が特に問題視していない、この部屋にある毒を挙げて下さい」

 ほふ?問題視してない毒とな?

 「えっと~……マー様の机の上に置いてあるインク、そこに飾ってある花……あ、後は今マー様が着ている服の紐飾りと~、壁もですね!」

 「は?インクに花に壁?」

 マー様が凄い変な顔してます。

 「紐飾りもですよ~」

 「いや、別にそこはどうでもいいけど」

 なんて言いながら、肩の紐飾りを訝しげに見ます。

 「ついでに言えばマー様が座っている椅子もです!」

 私がそう言った途端にマー様がビクッとして立ち上がりました。

 「どういうことなのグラフ?」

 どうやら、咄嗟に立ってしまったことが恥ずかしかったのか若干気まずそうな仕草で座り直すマー様です。

 「そうですね……インクは水に属する毒。多量に摂取すれば人体に何かしらの影響が出ると思います。壁は土に属する毒。含まれているのは……ミーレリリー全体的にですか?それとも一部?」

 「ふんむ?えっと~ここら辺ですねぇ」

 私はドア近くの壁を指差します。熊さんは、私が指差した壁に手を当てると、小さく頷きました。

 「練りこまれた土壁の一部にトゥリア(カドミウム)が混入しています。壁中ですから特に問題はありませんが、これを摂取すると骨と腎臓が犯されます。紐飾りと椅子のクッション部分は植物性の染料でしょう。花は躑躅シティアですね。花粉が毒を持ちますが処理されている所を見ると、残滓を感じ取ったのでしょう」

 「椅子は、全体的にですよ?ついでに言えば机もですよ?」

 マー様が机からそっと手を離します。

 「多分それはフォラでしょう。液状の状態のフォラに触れると肌がかぶれます」

 「なんだか、毒に囲まれてる気がしてきた」

 机も椅子もとっくの昔に乾いてますから安心したのか、マー様が椅子に深く腰掛け天井を仰ぎ見ます。

 「囲まれてますよ?どこもかしこも毒だらけですよ?」

 私の言葉に、これでもか!ってぐらいマー様は眉を顰めました。

 「わかったってば。つまり、日常摂取するはずも無い物質が毒素を含んでいるってことでしょ?」

 「はい。そして、ミーレリリーはその全てを毒であると感知しているのです。しかし、壁を食すことも、インクを飲むことも普通はしない」

 「だから、壁とか花とかインクについては触れなかったってことだね」

 「ですが今回、ミーレリリーが毒であると感知した物質は紅茶匙に付着していた」

 「はいはい。だからこんな間抜けな騒ぎになったってことだね」

 ま…間抜け……そりゃ確かに間抜けですけどもさぁ!

 「……ですから、彼女を王警団に入れるのは――」

 「もうわかったって。でもさ、やりようはあるんじゃない?だって耐性はあるんでしょ?毒の味を覚えればいいだけだとは思わない?」

 熊さんの美眉が歪みます。

 「殿下、人体に悪影響を及ぼす毒は現在確認されているだけでも万を超えます。各属性の専門家でも全てを記憶するのは難しいと言われているのに、その全てを覚えるのは誰であれ不可能かと思います」

 なんかあれですね。「誰であれ」って所に優しさを感じるよね。実際、一万以上の毒の味一つ一つ覚えるとか無理なんでありがたいですよね。

 「…………」

 おっと?マー様がだんまりになりました。

 凄い静かです。時計の針の音だけが響いてます。こちらも空気を読んで黙ってますが、これ……いつまで待てばいいかしら?

 ぼけーっと時計の針を見続けます。結構時間経ってますよ。立ちんぼ辛いですよ。

 「殿下、謁見のお時間が近づいています」

 な、なんとここでレーシさんが空気を破ったとな!?

 「……わかった。二人とも今日はもう帰っていいよ」

 「ほ?二人とも?」

 「だから、グラフも君も帰っていいよ」

 マー様がめんどくさげです。

 「だけど、謁見が終わったら夕食ですよね?私居ないとだし、そのすぐ後は勤務交代だし……」

 「夕食はあいつら呼ぶからいい。話も聞きたいし。で、グラフは全休、ミーレリリーは早退。どうするかは明日以降追って連絡。はい、じゃあね」

 な、なんなんだ?

 混乱しているうちにマー様がレーシさんを従えて執務室を出て行ってしまいました。

 「……どゆことですかね?」

 二人ぽつんと部屋に残され、私は熊さんを見上げます。

 「毒監査に話を聞くと言うことでしたから、総合的な判断をしたかった……ということでしょうか」

 「あー……。でもだったら、最初からその毒の人たちに話を聞けば良かったんじゃないですかね?熊さん呼ばれた意味って……?」

 「私は学園に居ましたから。あそこは一種の……なんでしたっけ……あぁ、ブランドなんです。学園出身であるということは即ち、優れた術士である。というような」

 「ほむ?そんなに狭き門なんですか?」

 「んー、狭き門どころか門扉は閉ざされていますね。学長曰く、あそこは学園ではないそうですから」

 そうして懐かしそうに熊さんが微笑みます。

 訳がわかりませんね。学園なのに学園長さんが学園じゃないって言い張ってるって。どゆこと?

 「ここで立ち話をしているのもなんですから、我が家に帰りましょう」

 「あ、そうですね。久々に家族水入らずじゃないですか!」

 「えぇ」

 うふふ、エレースちゃん喜ぶだろうなぁ……

 「遊び倒さないとですね!」

 「あまり、頑張りすぎないで下さいね」

 「えー?久々の家族団欒ですよ!三人で遊びましょうよ!ガンガン!!」

 「勿論そのつもりですが、エレースが寝た後は夫婦水入らず……をしたいですから」


 お、ちょ、恥ずかしいね!!!

インクはうつつから広まったよ!

ちなみに、動物性の毒は水に分類されてます。


リクエスト受付中。

詳細は7/15の活動報告をご覧下さい。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ