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転生チートの意味がない。  作者: おうさとじん
5章:王都で大奮闘…できた?
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047 王都と住まいと使用人とカツラ。

タイトルのことを説明しているだけなので、ダルイ方は読み飛ばして下さい!

 あぁ、さらば優しき街……


 と言うわけで、王都移転が決まってから丁度十日、私たちは馬車に揺られ、フィルゴナを後にしました。移転までの十日間、カツラ作りにせいを出しつつ、街を隅々まで、そりゃあもう、隅々まで見て廻り、街の人たちともかなり仲良くなったので、マジでちょっと哀しかったのですが、致し方ありません。

 一昼夜かかり辿り着いた王都は、さすがと言うかなんというか。説明が下手くそなので難しいのですが、円形の街の中央にお城があって、こう、触手を伸ばすみたいにお城の三階ぐらいの高さの場所から街に「空中歩道」という、ほら、あれだ、万里の長城みたいな道が延びているんですよ。万里の長城と違って、歩道の下の部分がアーチ状な訳なんですが。それが街をぐるりと囲む高い外壁に繋がっていて、その外壁は一応監視棟らしいので、部屋があったりするみたいなんですが、そこに行く為には城から行かないと行けない状況で……この空中歩道に一般市民を登らせないためだと思うんですが、空中歩道を越える高さの建設物には規制が掛かってたり。

 そんな形状の街なので、上から見ると幾何学模様見たいで結構綺麗なのかもしれないのですが、下にいる立場からすると、結構ごちゃごちゃしているんですよね。後、空中歩道の掛かっている地域は太月たいげつの光遮られるし。

 そんな感じなので、ある程度お金持ちの人は空中歩道に光が遮られない場所に住んでいるんですよね。で、お城に近いほうが高い。そう、王都の土地は全て王様のもので、土地の賃貸料を国に納めるんですよ。そんなわけで、お金のあまり無い人たちは、空中庭園に光が遮られる立地だったり、外壁の傍だったりに住居を構えます。特に外壁の傍はジメジメしていて治安が良くないので、絶対に近づかないようにと熊さんに念押しされました。

 こう、きらびやかさと暗鬱あんうつさが入り雑じって絡まって淀んでる感じが、さすが王都って思います。本当に。


 で、ですね。私たちが引越しした新居なのですが、驚いたことにこじんまりとしています。いや、あのお屋敷のサイズになれちゃったから小さく感じるだけで、実際はまぁまぁ広いのですが……。なにやらお城勤めと言うことで、王様から拝領…いや、住んでいる間だけ土地を借りてるんだっけ?まぁいいや、一応王国から、ということで私たちが住むことになったこのお屋敷は一等地なんですね。お城にかなり近いわけです。だからなんですかね?実家を一回り小さくしたような……間取りとしては玄関ロビー、応接室、談話室、えっと…洗濯室?と厨房が一つずつ、部屋が大小合わせて十二部屋。え?十分広いって?いやいや、前のお屋敷とか半端なかったですから。

 十二部屋のうち、三部屋が私たちの寝室、一部屋が熊さんの執務室、六部屋が使用人さんたちのお部屋で、結局客間として使えるのは二部屋だけなんですよ。そういえば、何故か地下牢があってびっくりしたのですが、熊さんはそこを研究室にするって喜んでいました。

 そうそう、執事さん、メイドさんで一括りにしていたのですが、色々わかれてるんですよね。なんか今回フィルゴナのお屋敷を管理する為に残る使用人さんと、王都についてくる使用人さんとで分けるときに、色々教わりました。

 熊さんの秘書的なこともやっていたセンティエさんは家令というそうで、残念なことにフィルゴナに残っていただくことになりました。メイドを束ねていたアルシラさんは言うなれば女中頭。しかしそんなアルシラさんもまたしかりでフィルゴナ残留。お屋敷の規模を考えてのことだそうです。エレースちゃんの教育係というかお世話係というかのアーノンさんは実は執事見習いだったらしく、馬車に追走する人だったそうな?まぁ、そんなアーノンさんは王都に着いて行く組でした。どうやら、お屋敷が小さく、使用人の部屋数が取れないので若くてイキがいいのでしのいでくれや。ってことらしいです。しかもアーノンさんはこちらのお屋敷で執事を勤めるそうで、大出世なんだそうです。でも、大変だとぼやいていたので、アーノンさんに限りませんが使用人さんたちの為に出来ることがあれば私も頑張りたいと思います。

 そうそう、別れ際にこっそり耳打ちしてきたアムイさんですがね、家令としてやってきましたよ。驚きましたよ。どうやら、お会いした時には決まっていたことらしいですよ。熊さんの遊び相手から小姓、執事見習い、執事まで行った所で私の監視役に抜擢されたらしく、その頃の生活が思いのほか楽しかったので、使用人として雇いなおそうという話を蹴って、暫く自警団の事務をしつつ生涯の仕事は何にするかを考えていたそうです。でも結局、熊さんが心配で家令を引き受けてくれたんだから、アムイさんはツンデレですよね!


 喜ばしいことと言えば、街を出るまでに何とかカツラ初号機が完成したのと、こちらにはエレースちゃんがヴァルナトだと知る人が居ないのもあって、エレースちゃんが外に出れるようになったことですね!

 ただし、カツラは髪の束にノリ付けして布につけた状態でお粗末なものなので、ハンチング帽は欠かせませんが……。まぁ、子供は大抵被ってるので、問題ないと思います。でも、早く出来のいいカツラを作ろうと思います。一本一本布に髪を縫い付けることになるんだよね…ふふ……。


 あと、まだストックあるから大丈夫だけど、熊さん早く毛伸びろ。

説明下手のリリーに変わって、説明下手の作者が説明。

王都は城を中心点として、城下町が円形に広がっていきます。街と外を隔てる城壁は大体ビルの四階程度の高さがあり、真丸です。中世ヨーロッパによく見られた円形アーチの橋が、城から城壁への連絡路として通っています。

水道橋をイメージしていただければほぼ正解ですが、水は通っていません。

また、この橋はリリーが幾何学模様(正式は幾何学「的」模様、らしい?)と表現したように、城から城壁に向かって均一に橋がのびているわけではなく、曲線や曲がり角を交えながら繋がっている為、法則を掴まないと迷子になります。まぁ、上から見たときに魔法陣っぺぇなーと思うような形をしているんですね。


使用人について。

日本語ではごっちゃになっているそうなので、このお話のなかでは、

・家令→スチュワード

・執事→バトラー

としました。ついでに言えば

・執事見習い→フットマン

・女中頭→ヘッド・ハウスキーパー

・小姓→ペイジ・ボーイ

以上、ややこしい説明でした。

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