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転生チートの意味がない。  作者: おうさとじん
3章:お屋敷にて。
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028 犬猿の仲。犬劣勢。

 何気に五日ほど経ちました。


 「うつつでは、お父様のことをパパ、お母様のことをママって呼ぶんだよ」とエレースちゃんに教えたところ、フィオ様のことを「フィオパパ」一昨日ついに私の事を「リリママ」と呼んでくれました。一緒に庭で花冠を作ったり、追いかけっこをしたりと構いまくったのが良かったみたいです!私の欲望を満たしただけの気もしますが……

 ただですね、センティエさん、アルシラさん、アーノンさん以外の使用人さんたちがいると、フィオ様のことは「おとうちゃま」と呼ぶのに、私の事は「おねえちゃま」と呼びます。なんでだろう、ちょっと何にかはわからないけど負けた気分。


 今日は、事前にレーテミーナ様からお手紙を貰っていて、遊びに来るらしいので、三人で応接間にいたります。

 「楽しみですねぇ」

 エレースちゃんを抱っこ(かにばさみ抱っこで私の胸に顔を埋めているのが好きらしいです)をしたまま私はお茶を飲んでいます。コアラ?は、背中か。まるでおサルの親子のようですね。ついでに言うと、何気に胸を揉まれています。エレースちゃんは胸を揉むのが好きらしいです。だからいつも熊さんはこちらを見ないように顔を背けています。

 「だれくるの?」

 おっと、エレースちゃんに説明するのを忘れていました。

 「えっとねぇ……」

 と、私が言葉を発した矢先、大きな窓がガタガタと揺れます。

 え?なんかすっごいデジャブを感じるんだけど……

 「まさか……」

 熊さんが立ち上がり、私たちを背に窓を見上げ身構えます。私もしっかりエレースちゃんを抱きしめ窓を凝視です。あんなに叱ったのに鳥のやろうまた同じことしようってのか!

 一際強く窓が揺れた瞬間、大きな音が響き渡りました。


 ばんっ!


 ……ん?

 「…ノン アコー……」

 熊さんの詠唱もぴたりと止まります。

 「なにしてんのさ?ボクはこっちだよ?」

 声がした方を振り向くと、鳥さんが開け放ったらしい扉の前にいました。そこに、走ってきたのでしょう、息切れしつつレーテミーナ様が追いつきます。

 「ごめっ…なさい……、ちゃんと迎えを待つように言ったのっ…ですけれど……」

 「だって、よく知っている家なのに、わざわざ待つ必要なんてないだろう?」

 どうやら、勝手知ったる他人の家だからと、普通やるべき礼儀を鳥さんの独断で省いて来たようです。

 「窓がガタガタ揺れてたのは……?ただの強風?」

 「いえ、風の魔力を感じましたが……」

 「あぁ、それね。先触れってやつ?来たよってわかるようにかな」

 ほんと、鳥、こういう奴だった。五日で忘れてたです。

 「ウォーク……」

 熊さんが頭を抱えています。私も気持ちとしては一緒です。

 「ごめんなさいっ!本当にわたくしが……」

 「いえいえ、レーテミーナ様のせいじゃないですよ。鳥が悪いんです鳥が」

 ちょっと、鳥さんに対して容赦がなくなってますが、これはもうしょうがないです。

 「とりとは失礼だね。まぁボクはニヒトじゃないから、この人とか言われてもおかしいんだけど。せめてウィアって言ってよ」

 そっち!?

 いや、なんか突っ込むのも疲れるので、ちょっとスルーでいかせて下さい。

 とりあえず事態を良くわかっていないエレースちゃんを降ろします。と、鳥さんがズカズカと中に入り、レーテミーナ様もオロオロそれに続きました。

 「……ようこそ、ウォーク、レーテミーナ嬢」

 熊さんが体裁を取り繕って、一応挨拶をします。

 「うん」

 と、鳥さん。

 「お久しぶりですわ、グラフィーオ様、ミーレリリー様……」

 ご令嬢らしく、挨拶をしてくれたレーテミーナ様が私の前にちょこんと立っているエレースちゃんを見た瞬間硬直しました。

 「ひっ!」

 おあ?

 「お…お久しぶりね……エレース……」

 「きょうのおきゃくちゃま、レーテミーナなの?」

 なんかちょっと引き気味のレーテミーナ様と、嫌そうな声をだすエレースちゃん。流石に顔見知りだろうとは思っていましたが、なんか遺恨がありそうです。あ、奥様の座を取り合った仲か!そしてそこを私が掻っ攫ったんでしたね!

 「あぁ、エレースじゃないか!結構大きくなったんだね」

 つかつかと歩み寄った鳥さんが、エレースちゃんの頭を撫でようとして、華麗に避けられます。エレースちゃんは何気に逃げスキルが高いです。鬼ごっことか、心臓破れるんじゃないかって思いました。

 「あれ?ボク嫌われてる?」

 「いつもガシャーンしてフィオパパこまらせるもの!」

 おい、エレースちゃんの前でもやってたのかこいつ。

 「だから、あれはボクたちの約束だったんだって」

 「でもパパいつもあとちまちこまってたもの!」

 「後始末でしょ?」

 「あとちまつ!」

 「あーとーしーまーつ」

 「あとちっ…あとちまっ……もう!オークきらい!」

 「ボクはウォーク、う、おー、く」

 「いいの!」

 「ほんと君って舌っ足らずだよね」

 「うるちゃいの!」

 なんだ、子供の喧嘩が始まってるぞ。

 「あのですねぇ、エレースちゃんはまだ四歳なんですから」

 とか言いつつ、エレースちゃんに両手を伸ばすと、意図を察して私の首元に抱きつきます。そのまま背中とお尻を支えて抱き上げ、ポンポンと背中を叩くと、エレースちゃんは鳥さんに向き直り、べーっと舌を出しました。

 「へぇ、仲良くなったんだね」

 「リリママはエレースのリリママだもん!」

 うん、その説明でわかる人はあまり居ないと思うな!すごく嬉しいけど!

 「ふ~ん、ママになったんだ?じゃあ、グラフがパパってわけ?」

 おや?これはうつつ語のはずなのになんで?

 「フィオちゃまはエレースのおとうちゃま!」

 「そ、おめでとうグラフ」

 「えぇ、ありがとうございます」

 いいや、今の疑問は置いてけ堀にしよう。話しの腰折るのもなんだし。

 「とりあえず、座りませんか。お茶入れますから」

 「まぁ、それならわたくしが入れますわ!」

 レーテミーナ様のわんこっぷりは健在だったようです。


 「リリママはエレースのリリママなのよ!」

 「わたくしはっ…ミーレリリー様の……その……」

 レーテミーナ様がこちらをチラチラと見ます。

 「お友達ですねぇ」

 「そうですわ!お友達ですのよ!」

 「エレースなんてリリーちゃまがママだもの!」

 「うっ、羨ましくなんてありませんわ!わたくしなんてお友達ですもの!」

 なんか、変な喧嘩が始まってます。

 「おともだちー?」

 すごいです、大人顔負けの勘繰りです!

 「ミーレリリー様が仰ってっ!」

 「ミーレリリーちゃまなのに?」

 あぁ、呼び方ですね?

 「そういえば、いつまでも他人行儀な呼び方じゃあ駄目ですよね。レーテ様?」

 おっと、ちょっとエレースちゃんのご機嫌を損ねたようです。

 「ミーレ様っ……!」

 おふぅ、綺麗な顔がまたお祈りポーズでキラキラ攻撃かましてくるよ……

 「でもエレースはリリママだもんねー」

 なんて言いながら、私の胸元に顔をポフポフします。これ、流石に人が居るときにやらないように教えないとですかね。もしかして、私のせいでママ=おっぱいになってますか?

 「リリー様!私もリリー様とお呼びしてもよろしくて!?」

 いや、子供相手にそこまでムキにならんでもいいんじゃないでしょうか。

 「ミーナ、なにやってんのさ」

 おや?なんか熊さんとボソボソ話しをしていた鳥さん乱入です。

 「だってっ…!」

 「家族以外でミーナをミーナって呼んでいいのはボクだけなんだからね!」

 「……ウォークったら……」

 おっと、バカップル発動ですか。離れていた五日の間に、なんか物凄いレーテミーナ様が篭絡されてますね。


 で?この変な空気どうすればいいの?

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