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転生チートの意味がない。  作者: おうさとじん
2章:別荘大騒動。
16/67

014 急展開、奥様は激昂です。

誤字修正致しました。

 レーテミーナ様の講習はちょっとずれてます。

 「カップを持つとき、小指をぴんと伸ばしてはいけませんわ。こうやって、少しだけ曲げるのが優雅ですの」

 とか

 「微笑むときは、少しアゴをひいて上目遣いが一番可愛らしくみえますのよ、右手を軽く握って、口元に添えるのも忘れてはいけませんわ」

 とか。

 正直、どうでもいいです。

 まぁ、確かにレーテミーナ様は超絶美人だから、そんなことされたら皆ノックダウンでしょうけど。

 ていうか、指導を名目に熊さんにアピりまくってます。私はダシにされているようですね。熊さんは特に興味が無いらしく、無言でお茶を飲んでいます。そういえば、なんか状況に頭がついていかなくて今まで気にしてなかったけど、この二人ってどーいう関係なんだ?

 レーテミーナ様はどう考えても、熊さんにホの字だし、熊さんは熊さんでフィオ様って言われても訂正を求めないし……


 なんて、考えていると、玄関がノックされレーテミーナ様のお迎えが……って展開になってくれると嬉しいのに、何事も無くレーテミーナ様は喋り続け、熊さんは無言を貫き、食事の用意が整って、ご飯食べてまたお茶になってしまいました。そろそろ、うんざりして来たんですが、本性出していいですか?いや、これも試練なんですかね……

 なんて考えてると、急にガタガタと窓が鳴り出しました。

 な、なんだ!?嵐!?

 「ミーナ!ボクというものがありながら君はまたグラフに!?」

 怒号です!明らかな怒号が窓ガラスを震わせています!っていうか……


 「わわっ!」


 ガタガタいっていた窓ガラスが風圧に負けて砕け散りました。突然のことに反応出来ないでいると、大きな影が私を覆います。

 熊さんです!熊さんカッコいいです!!

 なんて思ってる場合じゃない!ガラス片が熊さんに!一瞬にして、血の気が引きました。

 「大丈夫ですか、リリー?」

 「あ、私は……大丈夫だけど、熊さ……熊さんが……」

 正面から抱きしめられていたので、そっと、両手を背中に回します。

 きっと血が流れていると思ったのに、熊さんの背中に異変はありません。そのまま、サワサワしていると、熊さんが恥ずかしそうに「あの…私は大丈夫ですから」って言いつつ体を離します。

 私の周囲がやけに暗いのは、熊さんの影になっていただけではなく、盛り上がった土が周囲を覆うようにそびえていたからでした。反対側に回ってみると、土壁にはガラスがザクザク刺さってます。これが、熊さんの背中に刺さっていたらと思うとぞっとします。

 レーテミーナ様は!?と思って見て見ると、彼女も土壁のお陰で大事は無いようです。

 どうやらこれは、熊さんの魔法のようで、熊さんがもにゃもにゃ何か言うと、土壁がサラサラと崩れ落ちました。でも、部屋はすさまじいことになってます。

 「とっさに防御壁を張るとは、やるね、グラフ。やっぱり人間にしておくには勿体無いよ」

 なんて、言いながら青年が壊れた窓から侵入してきます。


 なんか、ちょっと、無理。これは無理。

 「何がやるね、よ!!!」

 ぷっちんきました。切れたのは人生二度目です。一度目は過去世です。

 「いったい何したわけ!?風!?風の魔法!?何にも考えないでぶっ放したわけ!?馬っ鹿じゃないの!!熊さんの魔法が間に合わなかったらどうなってたと思ってんのよゴルァ!!!」

 私の怒りの声に、三人とも目を丸くしています。って言うか、ちょっと頭の中の冷静な部分で、人間本気で切れると本当に「ゴルァ」とか言っちゃうんだとか思ってますが、そんなことは今はどうでもいいです。

 「あ、あのね…ミーレリリー様……」

 「なに!?」

 おずおずと言葉を発したレーテミーナ様に、ギンッ!って音がしそうなほどの視線を向けます。またも頭の冷静な部分が、レーテミーナ様も被害者だよ!って言ってますが、やっちまったもんは取り返しがつきません。

 「ミーナを責めないでよ」

 「わかってるわよ!」

 暢気な声が神経を逆撫でます。今の私は、敵を威嚇する猫のようでしょう!

 「リリー、リリーいいですから、皆無事だったんですから……」

 「よ、く、あ、り、ま、せんっ!怪我したって、治せないんですよ!?ガラスなんて、下手したら死んじゃうかもしれないんですよ!?」

 動脈かすっただけで、大変なことになるって言うのに、なんでこんなに皆落ち着いているのかわけがわかりません!

 「グラフなら大丈夫だよ、じゃなきゃ流石にボクもこんなことしないし」

 「なに言ってんですかあんたは!大丈夫なら何やってもいいのか!大食漢だからって無銭飲食が許されるか!」

 激昂しているので何がなにやら頭の中がぐちゃぐちゃになっています。

 「リリー、リリー……。彼が来ることは、わかっていたんです。だから、神経を張り巡らせていましたし、本当に大丈夫ですから……」

 全身を震わせている私を、熊さんが包み込むように抱きしめて、背中をさすります。

 なんか、ちょっと冷静になってきて、何でか急に涙が溢れ出します。

 熊さんに抱きつきながら、私は大泣きに泣きだしました。


 使えなくなった談話室を見て、アルシラさんが「まーまー、八年前を思い出しますねぇ」と盛大なため息を洩らしました。アルシラさん、料理人さん、御者さんが談話室を片付けるというので、私達はダイニングに移動しています。良く分からないのですが、このめちゃくちゃな人はレーテミーナ様を迎えに来たそうです。こんな、迎えの来かたは望んでいません。

 「で?」

 短く聞きます。もう、お嬢様振るとか出来ません。私、まだ怒りが消えていませんから。

 「うん、だからボクはミーナを迎えにね」

 「貴方がレーテミーナ様を迎えに来たのはわかりました。私が聞きたいのは、何故、窓ガラスをぶち破る必要があったかです」

 「えっとー、お約束かなぁ?」

 こいつ、ほんと話通じねぇです。

 「あのですね、リリー。私と彼は二十年来の知り合いなんですよ。私は、当時白の森の学園に居て、その時に彼と知り合ったんです」

 「そうそう、グラフは人間なのに結構魔力が強いし高いし、美観的にもまぁ傍に置いてあげてもいいかなって思ったから友達になってあげる事にしたんだよ」

 こいつ、上から目線うぜぇです。

 「魔法の鍛錬をしているうちに、普通の状態では鍛錬にならないと言う話しになりました。それで、いつ何時なんどきでも奇襲を掛け合うという決まりが出来て……だから今日のもその延長なんですよ」

 なんだそのキケンなルール。阿呆か!ちょっと気が抜け始めてきた。駄目駄目!怒るって決めてるんだから!

 「そんな決まり駄目です。許しません。危ないです」

 「なんで、君にそんなこと言われなくちゃいけないのさ?君には関係ないだろ?ていうか、誰さ君?」

 「関係有ります。私はフィオ様の妻です。夫が危険な目に合うなんて許せません」

 ほんと、魔法世界だっつっても万能じゃないんだから!回復魔法なんて存在してないんだからねこの世界!もうちょっとご都合主義でもいいだろって思うよ!

 「え?グラフ結婚したの?」

 「ちゃんと、招待状送りましたよ?」

 「えー!来てない来てない!」

 「欠席の旨を伝える手紙を頂きましたが……」

 「えー!何それ!?ボクから?」

 「えぇ」

 「もしかして、ミーナ!?」

 「え!?いやですわ、わたくしがそんな……」

 「すっごい目が泳いでるよミーナ!なんでそんなことしたのさ!」

 「だって…だって……認めたくなかったのですわ!フィオ様が私ではない人と結婚だなんてっ!」

 「君にはボクがいるだろう!グラフ結婚したんだからいい加減諦めてボクのお嫁さんになりなよミーナ!」

 「いやですわ!わたくしはフィオ様と結婚するって決めているんです!」

 「いや、だから私はもう結婚して……」

 なに、この疎外感。いや、仕方ないのかもしれないけどさ、怒ってる人ほっといて勝手に話進めないでくださいよ。

 なんか要するにここ、三角関係だったけど私が割り込んだって事なんですよね?とりあえず、このままの状況はなんか悔しいので、音が大きくなり過ぎない程度にテーブルを叩きます。

 熊さんとレーテミーナ様はビクっとし、めちゃくちゃ男は眉を顰めました。

 「とりあえず、きちんとはじめから説明してください」

 「……はい」


 熊さんの声が、情けな可愛かったです。

ですます口調だと、緊迫したシーン書けないよ……

修行が足りない……

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