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第5話 人狼化

俺達は商館で商隊と合流した。商隊長はミストリアというヒューマンだ。


「アスガル、これからウォズニアックの鉱山までよろしく頼むわ」


「分かった。報酬は一人頭20万ゾルだ」


どうやら20万円くらいの価値らしい。命を賭けるにしては安くないか?


「ギルドからの情報では水大猿が出没するエリアを通るようだ、気をつけろ」


「水大猿は強敵ね、群れをなして襲ってくるわ、この6人で大丈夫なの、アスガル?」


どうやらミストリアは人数不足に文句を言っているようだ。


「人を増やすと一人頭の報酬が減るんだよ、金をケチった自分を恨め」


確かにアスガルの言うとおり6人だけでも120万ゾルだ。それでも十分高い。人数を倍にしたら一人頭10万ゾルだ。それではやってられないだろう。

しかし、水大猿とは戦ったことがない。どんだけ強いんだろう?


俺達はとりあえず6人の護衛で納得したミストリアと出発した。行きは魔物とは遭遇しなかった。何事もなく着いた。

問題は帰り道だった。やはり水大猿の群れと遭遇したのだ。12匹もいる。大きさは4mもある。それが木から木へと伝って街道にいる俺達に襲いかかってきた。これは戦力不足じゃないか?


俺は双剣を抜いて使い慣れたサンダーボルトを撃ち込んだ。大鎧熊には効き目が今一だったが水大猿は雷が苦手だったようだ。痺れて木から落ちてきた。その首を急いで切り裂いた。他はどうなっている?

既に、一人前衛のミスワルドが水大猿の攻撃を受けて重症だ。水大猿のウォーターレーザーを浴びたらしく胸を大きく切り裂かれている。シルビアが回復魔法をかけているが水大猿は他にもたくさんいるのだ。


正直、人間の体では水大猿の動きに付いて行くのが一杯だ。サンダーボルトがないとやってられない。俺は2匹目を麻痺させて殺した。シルビアは回復を諦めて槍で水大猿の攻撃を防御している。あと10匹もいるのだ。魔術師のウォドリフはファイヤーウォールを貼って防御中だ。攻撃しろよ…。

俺は不自由な体に困って狼になれたらと思っていたらヤバイことになってきた。体が変身しかけているのだ。途中で無理やり止めた。


《シルバージャイアントタランチュラ》レベル40

<スキル> 猛毒レベル27、擬態レベル20

<限定スキル> 古代魔法、精霊魔法、回復魔法、サンダーボルトレベル55

<擬態可能>一角ウサギ、雷大狼亜種、大鎧熊、ヒューマン、エルフ

<ステータス> エルフ(雷大狼亜種化)(名称:アディスフィア・ジル・ジオベルク)14390


余計なステータスが見えたが、これなら行ける。サンダーボルトが強化された!

俺は立て続けにサンダーボルトを水大猿に撃ち込んだ。体も異常に軽快になった。人狼化とでもいうのだろうか。

残り10匹の水大猿をサンダーボルトで殲滅した後、みんなが俺を見ていた…。一人だけミスワルドが死んでいた。


慌てて体をサワサワしてみる。狼の耳が生えていた。恐らく髪も金色になっているだろう。目にかかる髪が金色だ。

耳と髪以外は異常はなかったがじーっとみんな見ている…。元の髪は銀色だったのだ。


「ジオベルグ、助かったがその姿はどうしたんだ?」


「ちょっとした強化魔法だ。人狼化だよ」


大嘘を言ってみたが通じるのだろうか?


「そんなの聞いたことがないぞ」


いきなり、気まずい雰囲気になってしまった。


「まあ、助かったんだからいいでしょ」


シルビアが助け舟を出してくれた。


「確かに死亡者は出てしまったが、助かったのは間違いないな。ミスワルドは運がなかったと思って諦めよう」


商隊にも3人ほど死亡者が出ていた。これで報酬はでるのか?


俺はエルフに戻った。ステータスを見たが大丈夫だ。確かに戻ったようだ。


《シルバージャイアントタランチュラ》レベル50

<スキル> 猛毒レベル33、擬態レベル25

<限定スキル> 古代魔法、精霊魔法、回復魔法

<擬態可能>一角ウサギ、雷大狼亜種、大鎧熊、ヒューマン、エルフ

<ステータス> エルフ(名称:アディスフィア・ジル・ジオベルク)17990


俺達は商隊と共にセンティアの街に戻った。

報酬は約束分出た。一人20万ゾルだ。死んだミスワルドの分は家族がいたので見舞金としてアスガルが渡すことになった。

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