第12話 サタンの裏切り
俺はウォフォールの王宮に戻っていた。戦争は当分起きない…。しょんぼりと客間で酒を飲んでいた。
ちなみに俺は酒を飲んでも酔えない。猛毒レベルが高すぎるためだ。
ザフィーロが俺の部屋に訪れた。なんの用だ?
「あなたのおかげで交渉はうまくいきました。お礼を申し上げます。この国の復興資金も確保することができました」
「俺はもっと戦争がしたかったのだ。俺にとっては交渉は失敗だ」
「あなたはこれ以上戦ってどうするのですか?」
「強くなりたいんだよ、ただそれだけだ」
俺にとっては強さとは姿を保てる唯一の方法なのだ。
「あなたは十分強いではないですか?これ以上強くなってどうするのですか?」
「どうもしない、ただ戦いをしたいだけだ」
俺の答えにザフィーロは青い顔をしている。どうやら俺に怯えているようだ。
構わない、俺を殺そうとするならそれでもいい。この国を滅ぼしてやる。
王の間でザフィーロは宰相のナディルに悩みを打ち明けていた。
「ジオベルグ殿は戦いを欲している、それが恐ろしいのです」
「もはやジオベルグ殿と戦おうとするものはいないのではないですか」
「ジオベルグ殿は戦闘狂です、いつかこの国を滅ぼすのではないかと心配なのです」
「暗殺なさってはどうです?」
「間者によると帝国はジオベルグ殿に毒を盛ったそうです。その毒を5杯飲んでも平気だったそうなのです」
「人間とは思えませんね」
「私にはジオベルグ殿は人の形をした悪魔にしか見えません」
「その悪魔の機嫌を損ねないようにするしかないでしょうね」
俺は龍についての情報を集めていた。そう戦いをするためだ。
どうやら龍には属性ごとに色が違うようだ。
炎の龍は赤、水の龍は青、風の龍は緑、土の龍は灰、雷の龍は金、氷の龍は白、聖の龍は銀、闇の龍は黒らしい。
強さ的には、土、水、風、炎、氷、雷、そして聖と闇は尋常じゃないくらい強いようだ。
出現する率もやはり弱い龍ほど見かける。そして、聖と闇は伝説に残っているくらいだ。
俺は強さを無限にあげることはもう諦めていた。目標を決めた、そうレベル400だ。後80だけ上げればいい。
そうすればエルフ1人を食う度に100年は姿を保てる。雷大狼になってエルフを食う分には怪しまれないだろう。
後80上げるにはどれだけ龍を殺せばいいのだ。試してみるしかない。
俺は雷大狼になって龍の森まで走っていった。もちろん、装備は袋に入れて口に咥えて持っていった。少し不便だがしょうがない。
エルフの人狼化になって森の入口にたった。さあ、俺の戦いを始めよう。
最初に遭遇したのは銀色の龍だった…。そう伝説の聖の龍だ。600mはあるだろうか、でかい!
「災いをもたらす蜘蛛よ、この森に何の用だ?」
答える必要などない。俺は闇の召喚魔法を詠唱した。
「サタンの呪いよ!今こそ我に力を貸せ!我に仇なす者たちを全て滅ぼせ!」
「我が名はサタン、お前はもう災いをもたらすことはなくなった。我はもう手を退くぞ」
いきなりの呪いの解除かよ!このピンチの場でそれはないだろう!
サタンはあてにならなかった。だが、俺にはトールがいる!
「雷の化身たるサンダーバードよ、我が敵に稲妻の裁きを与えよ!」
俺は10羽のサンダーバードを召喚した。稲妻の雨をくらえ!
「蜘蛛よ、私と戦う気か!望むところだ、相手をしてやろう!」
稲妻の雨に撃たれながら銀龍は攻撃をしてくる!かなり強いぞ、こいつ!
銀龍は聖の属性だ。物理攻撃しかしてこないが打たれ強さが並じゃない。人狼化で相手の攻撃を避けながらサンダーボルトを撃つ!サンダーバード達も攻撃をし続ける。果てしない戦いが始まった。いくら攻撃しても堪えないのだ。
時間ばかりが経っていった。朝から戦闘を始めてもう昼だ。それでも戦いは終わらない。いつまで続くんだ?
俺はサンダーボルトを撃ちながら戦い続けた。サンダーバードもまだ元気だ。
夜になった。だが、戦いは終わらない。まじで強いんだけど銀龍…。いきなりのこれはないだろう。もう少し弱い龍から戦いたかったがもう遅い。サタンの裏切りが恨めしい…。
朝になった、もう1日経っている。やがて銀龍が倒れた。長い戦闘だった。龍の森は恐ろしいところだ。俺は疲れた。
《シルバージャイアントタランチュラ》レベル400
<スキル> 猛毒レベル267、擬態レベル200、トールの加護、不老不死
<限定スキル> 古代魔法、精霊魔法、回復魔法、サンダーボルトレベル180
<擬態可能>一角ウサギ、雷大狼亜種、大鎧熊、ヒューマン、エルフ、銀龍
<ステータス> エルフ(雷大狼亜種化)(名称:アディスフィア・ジル・ジオベルク)143775
呪いは解けた。そして、レベルも400まで行った。俺はもう戦わなくていいんだ。それになにやらスキルが増えた。
不老不死とかいうスキルだ。銀龍を倒して食べるとこれが付くのか…。
しかし、問題があった。精霊魔法に頼り切りだったのがまずかった。魔法を鍛え直そう。
それと擬態の実験だ。
俺はウォフォールの王宮に戻った。そこでエルフの血を求めた。ヴァンパイアのように血だけで擬態の数値があがるかの実験をするのだ。ザフィーロは青い顔をしていたが、気にしない。どうせ嫌われているのだ。
実験体のエルフが連れてこられた。俺はそいつの手首を切り大コップを満たした。後はヒールで直してやった。
大コップ一杯のエルフの血を飲んだ。俺の経験ではこれくらいの肉を食えば上がるはずだ。同じ量の血でもいけるはずなのだ。さあ、数値は上がるのか。
《シルバージャイアントタランチュラ》レベル400
<スキル> 猛毒レベル267、擬態レベル200、トールの加護、不老不死
<限定スキル> 古代魔法、精霊魔法、回復魔法
<擬態可能>一角ウサギ、雷大狼亜種、大鎧熊、ヒューマン、エルフ、銀龍
<ステータス> エルフ(名称:アディスフィア・ジル・ジオベルク)179775
数値はあがった。肉じゃなくても血でもいいのだ。擬態の問題は解決した。そして、俺はこのエルフから風属性を取得した。
後は魔法だ。南の同盟国は北のイシュトヴァーン帝国の物量に対抗して魔法の開発が盛んだと聞いた。俺はザフィーロに魔法のことを聞いた。
「ジオベルグ殿、私になんの用でしょう?」
「この国に魔法を研究している場所はあるのか?」
「魔術師達は先の戦争で皆死ぬか散り散りになりました。ここにはもうそのような場所はないのです」
ウォフォールはマジで使えない。
「南の同盟国で一番魔法が発達しているのはどの国なのか?」
「ワリャーグかヴォルフではないかと思います」
「では俺はそこに行く、しばらく世話になった。礼を言う」
ザフィーロはほっとした顔をしている。まあいい。




