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第11話 停戦交渉

イシュトヴァーン帝国の帝都では貴族達が集まって体制を取り戻そうとしていた。王族が皆殺されたのだ。


「ウォフォールが敵の手に落ちました!」


「なにが起こったのだ!?」


「間者からの情報によると我が軍はジオベルグに皆殺しにされたそうです」


「4万もの軍がいたはずだ、どうやって一人で殺せるというのか!」


「無数の悪魔達によって皆殺しにされたそうです」


「悪魔を呼ぶエルフの力とはそれ程なのか…」


「このままでは南の同盟国に攻めこまれてしまうぞ!」


「しかし、軍隊を送っても皆殺しにされてしまう…、意味がないのだ!」


「ここは停戦しかないのではないか!」


「だが、ウォフォールはこちらから攻め込んだのだ、なにをもって停戦とするのだ!」


「停戦をする材料がありませんな…」


「交渉をして時間を稼ぐしかない。領土が欲しければくれてやるしかない。こちらには抵抗するすべがないのだ…」


「いや、私にいい案がある」


話はまとまったようだ。交渉の場を南の同盟国と持つことになった。





俺はウォフォールの王宮にいる。荒らされた王宮も同盟国の援助で少しづつ元の姿を取り戻しているようだ。

俺はレベルを確認してみた。あれだけ殺したのだ、レベルに期待した。


《シルバージャイアントタランチュラ》レベル320

<スキル> 猛毒レベル213、擬態レベル160、トールの加護、サタンの呪い

<限定スキル> 古代魔法、精霊魔法、回復魔法

<擬態可能>一角ウサギ、雷大狼亜種、大鎧熊、ヒューマン、エルフ

<ステータス> エルフ(名称:アディスフィア・ジル・ジオベルク)115021


おお、さすがは最強と謳われたイシュトヴァーンの軍隊。一気にレベルがあがった!南の森で龍を倒すよりこっちの方が効率いいんじゃないか?


喜んでいると、ザフィーロがやってきた。


「ジオベルグ殿、あなたのおかげで妾は国を取り戻せました」


名前に殿が付いてる。なにやら俺は偉くなったのか?


「俺は敵を倒せればそれでいいんですよ」


「イシュトヴァーン帝国から停戦の申し込みがありました、一緒に付いてきて貰えませんか?」


まだ、報酬を出せる程財政は回復していないようだ。正直、立てなおすのはかなり時間がかかるだろう。だが、停戦の場に俺が必要なのか?戦場でないと俺の力は意味がないぞ?


「わかりました、付いて行きますよ」


停戦の場所はウォフォールの国境沿いになった。まあ、近くていいことだ。帝都とか言われたら行くのが面倒だしな。

国王はいなかった。各国の宰相達が出席しているようだ。例外はザフィーロだけだ。


「帝国の南半分を寄越せ」


いきなりの爆弾発言をしてみた。


「ジオベルグ殿、そればかりは勘弁してもらえないだろうか」


イシュトヴァーン帝国の宰相ナウトヴァーンだ。一応皇帝の遠い血筋で今回新しく宰相の座についたらしい。


「では戦争だ、皆殺しにしてやる!」


喧嘩を売って戦争を起こすのだ。またレベルがあげられる。ふふふふふ、計算通りだ。


「分かりました、その条件を飲みましょう…」


なに!?計算違いだ、ちょっと待て!


「賠償金も寄越せ!10億ゾルだ!」


さらに吹っかけてみた。少し安かったか?


「それだけの大金はまとめて支払うことはできません、分割払いでお願いします…」


飲みやがった!どれだけ弱気なんだよ!これは駄目だ。戦争は起こせそうにない…。


俺はやけになってその場で酒を飲んだ。ピリ辛だ。これは毒入りだな。だが俺は猛毒レベル213なのだ。どんな毒も効かない。この交渉の場とは俺の暗殺が目的だった。だから俺を呼んだのだ。嫌がらせにお代りをしてやった。


ナウトヴァーンが青い顔をしている。俺さえ殺せば交渉条件を破棄できたのだ。その無茶な条件を飲むことになった。それは、青い顔もするだろう。


後の交渉はすんなりいった。これ以上はない条件を引き出したのだ。俺はしょんぼりして毒入りの酒をチビチビと飲んだ。

結局、毒入りの酒を4杯お代りした。





イシュトヴァーン帝国の皇都では貴族達が集まって協議をしていた。


「ジオベルグの暗殺に失敗しただと!」


「毒入りの酒を5杯飲んでも奴は平気だったのだ、奴には毒が効かなかった…」


宰相のナウトヴァーンだ。


「奴はエルフに化けた悪魔かもしれませんな」


「帝国の領土の半分を渡すことになった。賠償金は10億ゾルだ…」


ナウトヴァーンは交渉結果を言った。


「それを飲めというのか!」


「もう決まったことなのだ、覆すことはできない、破棄すれば我々は滅亡する…」


もはや、反論はなかった。


「これではアルヴァとも戦えないではないか!」


「そちらとも停戦する必要がありますな…」

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