洋館
樫の森を抜けた先、小高い丘の上に旧アーム邸はあった。
私はこの洋館の歴史を調べるために、朝早くから森へ向かい、太陽が真上にあるころに、この洋館に着いた。
屋敷の壁ははがれ落ち、木がむきだしになっていた。その木も腐っており、今に崩れてもおかしくなかった。
私はカメラと懐中電灯を持ってこの古びた洋館に入った。
蜘蛛の巣が張り巡らされた玄関ホールを抜け、奇妙かつ、考えるだけでも震えが止まらなくなる広間に出た。
脚が異常な角度に曲がった漆黒のテーブル、
神を嘲笑するかのような狂気に満ちた模様の絨毯、悪意ある表情の肖像画、そのすべてが私の血を凍らせ、震えさせた。そして私は最も恐ろしいものをみた、それはテーブルの上にあった、それを見た瞬間、私は恐怖で混乱してしまい、この忌まわしき広間から逃げ出したのだ。
しばらくして落ち着きを取り戻した私は、あれは幻覚なのだと自分に言い聞かせ、再び玄関ホールを抜けて画廊へと入った、画廊の絵画はこれと言った特徴もなく、私は安心してそのまま図書館へと入った、しかし、そこにあった書物は、語るのも恐ろしい、危険なものだったのだ!
そこにあった書物の内容は、黒魔術、人食、
地下に封印されし魔物、近視相姦、乱交の推奨など、考えるだけでも汚らわしく、おぞましいものだった。
私はもう動くこともできず、只々恐怖ですくみ上がっていた。
気がついた時にはもう夜になっており、私はすかさず懐中電灯をつけた。
私はすでに恐怖に染まりきっていたが、それよりも好奇心の方が勝り、この洋館をもう少し探索することにした。
そして私は洋館の中を徹底的に探索した、偏執狂のように。
そしてすべての部屋を探索し、玄関ホールへと戻った時、何かが視界に入った。
そして、私は気を失った。
私はこれを必死の思いで書いている、なにかが、なにかがこちらに近づいているのがわかるのだ、風が強くなる、月が赤くなる、視界が歪む、物音が聞こえる、激しい痛みと、そして恐怖とともに、私は崩れた。