第6話 逃走
ドシン……
ドシン……
森の奥から現れた巨体。
身長は軽く2メートルを超えている。
分厚い筋肉。
牙。
そして手には巨大な棍棒。
「……マジかよ」
オークだった。
ゲームでもよくいる魔物だ。
でも――
実際に目の前にすると迫力が違う。
(でかすぎるだろ…)
オークは俺に気づいた。
ギロリ。
赤い目がこちらを見る。
「グオオオオ!」
咆哮。
空気が震える。
その瞬間――
俺は思った。
無理。
「逃げる!」
全力で走った。
ドシン!!
背後で大きな音。
オークが動いた。
「うわ、来てる!?」
振り返る余裕はない。
とにかく走る。
木々の間をすり抜ける。
枝が顔に当たる。
それでも止まらない。
ドシン!
ドシン!
ドシン!
後ろから重い足音。
(くそっ…速い!)
あんな体なのに意外と速い。
その時。
俺は地面の石を蹴った。
「うわっ!」
少しバランスを崩す。
後ろから
ブォン!
空気を切る音。
振り返ると――
巨大な棍棒が振り下ろされていた。
ドゴォン!!
地面がえぐれる。
「当たってたら死んでた…」
ゾッとした。
俺は必死に走り続けた。
そして――
しばらくして。
ドシン…
ドシン…
足音が遠ざかっていく。
やがて完全に聞こえなくなった。
「はぁ……」
「はぁ……」
その場に座り込む。
心臓がバクバクしている。
「危なかった……」
しばらく呼吸を整える。
そして思った。
「今の俺じゃ勝てないな」
ゴブリン。
ウルフ。
それならなんとかなる。
でもオークは別格だ。
今の俺ではレベルも装備も足りない。
「やっぱり……」
俺は木の棒を見た。
「強くなるしかないよな」
素材を集めて。
装備を作って。
少しずつ強くなってやる。
本当に――
いつもやっていたゲームみたいだな。
俺は立ち上がった。
そして森を見渡す。
遠くでゴブリンの声が聞こえる。
「ギャギャギャ!」
「よし」
俺は木の棒を握り直した。
「まずはゴブリンの素材の???の方だな」
目標は決まった。
ゴブリンの欠片を集めて
???のものと交換をしよう。
そしていつか――
さっきのオークを倒してやる…
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