第4話 フォレストウルフ
「グルルル……」
目の前の狼は低く唸っていた。
灰色の毛並み。
鋭い牙。
そして何より――
目が完全に狩る側の目だ。
(やばいな……)
さっきのゴブリンとは明らかに違う。
ゴブリンは人型で動きも単純だった。
でもこの狼は――
速そうだ。
俺は木の棒を握り直した。
「落ち着け……」
ゲームなら何度も戦ったことある。
狼タイプのモンスター。
基本は――
スピード型。
その瞬間。
ウルフが動いた。
「グルァ!!」
一瞬で距離を詰めてくる。
「速っ!?」
俺は慌てて木の棒を振る。
スカッ。
避けられた。
次の瞬間――
ザッ!
「ぐっ!」
肩をかすめられた。
鋭い爪だ。
Tシャツが破れ、少し血が滲む。
(くそ……!)
ウルフは距離を取ってまた唸る。
「グルルル……」
完全に俺の動きを見ている。
(頭いいな……)
下手に突っ込んだらやられる。
その時、ふと思った。
「そういえば……」
俺はさっき拾った石を手に取った。
そして――
思い切り投げた。
「おらっ!」
石はウルフの顔に当たる。
ゴッ!
「ギャン!」
一瞬だけ怯んだ。
(今だ!)
俺は全力で突っ込んだ。
木の棒を振り上げる。
「うおおお!!」
ゴン!!
木の棒がウルフの頭に当たる。
ウルフはふらついた。
もう一度。
「もういっちょ!!」
ゴン!!
そして三回目。
「これでどうだ!」
ドン!!
ウルフは地面に倒れた。
しばらくピクピクしていたが――
やがて動かなくなった。
森が静かになる。
「はぁ……」
「はぁ……」
俺は膝に手をついた。
「危なかった……」
ゴブリンより強い。
でも――
倒せないわけじゃない。
その時。
頭の中に声が響いた。
《フォレストウルフの欠片を入手しました》
「おお!」
光る欠片がいくつか落ちている。
俺はそれを拾った。
するとまた声が響く。
《新しい素材を確認しました》
《交換所のラインナップが更新されました》
「来た!」
俺はすぐ交換所を開いた。
⸻
交換所
木の棒
必要素材
木の欠片 ×5
石
必要素材
石の欠片×3
???
必要素材
ゴブリンの欠片×10
木の欠片×10
???
必要素材
フォレストウルフの欠片 ×15
⸻
「お?」
新しい項目が増えている。
ゴブリンの方もあるな。
まだ何かは分からない。
でも必要素材を見る限り――
「装備っぽいな」
つまり。
魔物を倒して欠片を集めていけば
何かわかるってかんじか。
俺は森を見渡した。
ゴブリン。
ウルフ。
そしてまだ見ていない魔物。
「なるほど……」
「この森」
「めちゃくちゃ稼げそうじゃん」
俺はニヤリと笑った。
最初はハズレだと思ったスキル。
でも今は違う。
このスキルは――
ゲーム好きの俺にとって
最強のスキルかもしれない。
俺は木の棒を肩に担いだ。
「よし」
「まずは素材集めだな」
そう言った瞬間。
遠くの茂みが揺れた。
ガサガサッ。
次の瞬間――
ゴブリンが二匹現れた。
「ギャギャ!」
「ギャア!」
俺は少し笑った。
「いいね」
「素材が増える」
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