第29話 街への帰還とギルド報告
森を抜け、石畳の街を歩くユウマ。
足取りはまだ戦いの余韻で軽く、肩にある
フォレストダガーが心強く感じられる。
「ふぅ……森の王を討伐して、これで一段落だな」
ユウマは深く息を吐いた。
街の中心に差し掛かると、ギルドの建物が見える。
「……ここだな」
登録して間もないユウマにとって、ギルドは少し緊張す
る場所だが、今日の報告は大事だ。
扉を押して中に入ると、いつもの活気が迎える。
「おかえりなさい、ユウマさん」
受付のセレナが笑顔で声をかける。
「お世話になります、セレナさん。森の方は……無事に討伐を終えました」
軽く頭を下げるユウマ。
「フォレストウルフも、アルファウルフも全て討伐済みです」
セレナの瞳がぱっと輝く。
「やっぱり……アルファウルフまで討伐したんですね。森の異変の原因も、これで一段落しそうです」
ユウマは肩をすくめ、少し笑いながら答える。
「まだまだ未熟ですが……少しはお役に立てたようで、何よりです」
セレナは小さく頷き、資料を片手に確認している。
「討伐数はちゃんと反映されています。フォレストウルフは合計で……13匹、アルファウルフ1匹ですね」
ユウマは頷き、微かに胸を張った。
「ありがとうございます。これで次の任務も安心ですね」
⸻
報告を終え、ユウマは街の雑踏を抜け、
銀の小鹿亭へ向かう。
小鹿亭の扉を開けると、暖かな光と
香ばしい匂いが迎える。
「お世話になります、ユウマです」
宿の主人がにこやかに返す。
「若者、森での活躍は聞いたぞ。さあ、部屋と夕食が
用意できている」
部屋に荷物を下ろし、ユウマは窓の外の街並みを眺める。
「……少し休まないとな」
夕食の時間。食卓には小鹿亭自慢の料理が並ぶ。
燻した鹿肉のローストは香草の香りが立ち、
オレンジ色の野菜のスープが湯気を立てる。
パンにはほんのり甘いハチミツが塗られ、
柔らかなチーズと共に皿を彩る。
ユウマはフォークを手に取り、一口頬張る。
「……うまいな。森での戦いの後には、こういう温かい料理が体に染み渡るな」
柔らかな灯りの下、ユウマはしばし静かに食事を楽しむ。
今日の戦いの疲れを、少しずつ体の奥から癒していく。
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