第22話 ゴブリンシリーズ
翌朝。
窓から差し込む朝日でユウマは目を覚ました。
「……朝か」
銀の小鹿亭のベッドは想像以上に快適だった。
森で寝ていた頃とは比べ物にならない。
ユウマはベッドから起き上がり、軽く体を動かす。
肩を回し、腕を伸ばす。
「問題なしだな」
昨日はフォレストウルフ三匹と戦った。
だが疲れは残っていない。
むしろ体が軽い。
ユウマは装備を身につけた。
ゴブリンフード。
ゴブリングローブ。
ゴブリンブーツ。
そして腰にはゴブリンナイフ。
準備を整え、宿を出る。
朝の街はまだ静かだった。
商人が店を開く準備をしている。
パン屋から香ばしい匂いが漂ってきた。
ユウマはそのまま街の門を抜ける。
向かう先は――
森。
「今日の目的は一つだな」
ゴブリン装備。
残りは
ゴブリンアーマー。
それさえ作れば
シリーズが完成する。
森の中へ入る。
朝の空気はひんやりしていた。
鳥の声。
葉の揺れる音。
ユウマはナイフを抜く。
「さて……」
その時。
「ギャ!」
茂みの奥から声が響いた。
ゴブリンだ。
棍棒を持った個体。
ユウマを見つけると
一直線に突っ込んでくる。
「来たな」
ゴブリンが棍棒を振り下ろす。
ブン!!
だがユウマは横へ回避。
ゴブリンブーツが地面を蹴る。
体が滑るように動いた。
「はっ!」
シュッ!!
ナイフを振る。
刃がゴブリンの腕を切り裂く。
「ギャッ!」
ゴブリンがひるむ。
その隙にユウマは踏み込む。
ズバッ!!
首元を斬る。
ゴブリンはそのまま倒れた。
数秒後。
頭の中に声が響く。
⸻
《ゴブリンを討伐しました》
《ゴブリンの欠片 ×4》
⸻
「よし」
ユウマは欠片を拾う。
そしてステータスを確認した。
⸻
所持欠片
木の欠片:19
石の欠片:2
ゴブリンの欠片:40
フォレストウルフの欠片:16
⸻
「十分だな」
ゴブリンアーマーの素材は
ゴブリンの欠片 ×20
木の欠片 ×10
どちらも足りている。
ユウマは周囲を見渡した。
人の気配はない。
森は静まり返っている。
「ここでいいか」
ユウマは深く息を吐いた。
そして意識を集中させる。
(交換所)
半透明の画面が現れた。
⸻
ゴブリンフード
作成済み
ゴブリングローブ
作成済み
ゴブリンブーツ
作成済み
ゴブリンアーマー
必要素材
ゴブリンの欠片 ×20
木の欠片 ×10
⸻
「……交換」
次の瞬間。
手の中に光が集まる。
シュン。
光が形を作る。
現れたのは――
深緑色の革鎧。
肩と胸を守る軽装アーマー。
「これが……」
ゴブリンアーマー。
ユウマはそれを装備した。
カチッ。
体にぴったりと合う。
軽い。
だがしっかりした防御を感じる。
その瞬間だった。
頭の中に
今までとは違う声が響いた。
⸻
《ゴブリンシリーズ完成》
《コレクションボーナス発動》
HP +20
防御 +5
⸻
「……え?」
ユウマは目を見開いた。
さらに続けて表示が現れる。
⸻
《コレクションボーナス》
シリーズ装備を揃えることによって
永続的にステータスボーナスが付与される。
※この効果は装備とは別枠で加算される。
⸻
「シリーズ装備……」
ユウマは小さく呟いた。
つまり。
同じ魔物の装備を
すべて揃えると
能力が上がる。
しかも――
永続。
ユウマはすぐにステータスを開いた。
⸻
ステータス
名前:ユウマ
種族:人間
年齢:18
レベル:3
冒険者ランク:F
HP:150(+20)
MP:24
筋力:15
敏捷:15
防御:19(+5)
魔力:7
器用:17
⸻
コレクションボーナス
ゴブリンシリーズ
HP +20
防御 +5
⸻
「装備とは別に……上がってる」
ユウマは驚きながら呟いた。
もし他のシリーズもあるなら。
装備を揃えるだけで
どんどん強くなる。
「これは……」
かなり強い能力だ。
その時だった。
森の奥から
「グルルル……」
低い唸り声。
ユウマは顔を上げる。
フォレストウルフ。
茂みの奥から
その姿が現れた。
「……ちょうどいい」
新しい装備。
試してみるか。
ユウマはナイフを構えた。
森の空気が張り詰める。
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