第14話 初めての依頼
冒険者ギルドの掲示板には、
びっしりと依頼書が貼られていた。
紙の色もバラバラだ。
白い紙。
黄色い紙。
赤い紙。
内容も様々だった。
「薬草採取」
「迷子の猫探し」
「森のウルフ討伐」
「ゴブリン討伐」
「盗賊討伐」
(結構あるな……)
俺は掲示板を眺めながら呟いた。
すると後ろから声が聞こえた。
「ユウマさん」
振り向くと、
さっきの受付嬢だった。
相変わらず優しそうな笑顔だ。
「おすすめの依頼、気になります?」
「はい」
「正直どれがいいのか全然わからなくて」
俺が苦笑すると、
受付嬢は少し笑った。
「新人さんは大体そう言います」
そして掲示板の一枚を指差した。
「これですね」
そこに書かれていたのは――
ゴブリン討伐依頼
依頼内容
森に出没するゴブリンの討伐
報酬
銅貨8枚(1体)
推奨ランク
F
(おお)
ちょうどいい。
俺はゴブリンを何匹も倒している。
「これなら出来そうです」
受付嬢は頷いた。
「はい」
「ユウマさんなら大丈夫だと思います」
そして少し声を落とした。
「ただし」
「油断は禁物です」
「ゴブリンは弱い魔物ですが」
「数が増えると危険です」
(確かに)
俺は三匹と戦った時を思い出した。
普通に危なかった。
「分かりました」
受付嬢は依頼書を取り、
紙に何かを書き込んだ。
「ではこの依頼を受注します」
「森の南側にゴブリンが出るので」
「討伐証明として耳を持ってきてください」
「耳?」
思わず聞き返す。
受付嬢は苦笑した。
「はい」
「魔物の討伐証明です」
「耳や牙などを持ってきてもらいます」
(なるほど)
ゲームっぽい。
その時。
受付嬢が少し身を乗り出した。
「ちなみに……」
「ユウマさん」
「装備はそれだけですか?」
俺の腰には
ゴブリンナイフだけ。
服も普通の服。
完全に初心者装備だ。
「まあ……そうですね」
受付嬢は少し困った顔をした。
「それだと少し危ないかもしれません」
「街の防具屋で装備を揃える人が多いですよ」
(あー……)
確かに普通はそうだ。
でも俺には――
交換所がある。
スキルの可能性はまだまだあるはずだ…
「大丈夫です」
俺は少し笑った。
「森で素材集めもする予定なので」
受付嬢は不思議そうな顔をした。
「素材集め?」
「はい」
「ちょっとしたスキルがあるんです」
曖昧に答える。
欠片化スキルはまだ説明が面倒だ。
受付嬢は少し笑った。
「そうなんですね」
「でも無理はしないでくださいね」
そして小さく言った。
「新人冒険者が戻ってこないことも……」
時々あるんです。
その言葉で、
ギルドの騒がしい空気が
少しだけ重く感じた。
(そうだよな)
ここはゲームじゃない。
普通に死ぬ世界だ。
「気をつけます」
俺は真剣に答えた。
受付嬢は微笑んだ。
「それなら安心です」
そして依頼票を渡してきた。
「それではユウマさん」
「初依頼、頑張ってください」
俺はその紙を受け取った。
そしてギルドの扉を開ける。
外は昼の光で明るい。
街の喧騒が広がっている。
「よし」
俺は呟いた。
「ゴブリン狩りだ」
そしてもう一つ目的がある。
早いうちに装備を揃えること。
森の方を見る。
あそこには
素材がある。
経験値がある。
そして――
強くなるチャンスがある。
俺は街を出て
再び森へ向かった。
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