第13話 初めての街と冒険者ギルド
「ここが……街か」
俺は巨大な石の門を見上げた。
高さは10メートル以上ある。
分厚い石の壁が街をぐるっと囲んでいた。
さっきオークから逃げてきた森とは
まるで別世界だ。
門の前には人が並んでいた。
商人っぽい荷馬車。
鎧を着た冒険者。
農民らしき人達。
いろんな人が出入りしている。
「次!」
門番の兵士が声を出した。
俺の番だ。
「名前は?」
「ユウマです」
「職業は?」
「……」
少し迷った。
この世界に来たばかりだし
特に決まっていない。
「冒険者……です」
兵士は少し笑った。
「新人か?」
「はい」
「ならギルドに行くといい」
兵士は簡単な紙に何かを書いた。
「身分登録だ。街に入るだけならこれでいい」
「ありがとうございます」
俺は頭を下げた。
そして――
街の中へ入った。
その瞬間。
「おお……」
思わず声が出た。
石畳の道。
両側には店が並んでいる。
武器屋。
防具屋。
パン屋。
肉屋。
露店も多い。
「焼きたてパンだよー!」
「安いよ安いよ!」
「ポーション入荷したぞ!」
いろんな声が飛び交っている。
完全に
ファンタジーの街。
ゲームみたいだ。
(すげぇ……)
人の数も多い。
鎧を着た冒険者。
ローブ姿の魔法使い。
獣人っぽい人もいる。
「本当に異世界なんだな……」
俺は少しワクワクしていた。
その時。
建物の一つが目に入った。
他より大きい。
そして看板がある。
剣と盾のマーク。
「これって……」
間違いない。
冒険者ギルドだ。
俺は扉を開けた。
ギィィ。
中はかなり広い。
酒場みたいな空間が広がっている。
木のテーブル。
たくさんの冒険者。
笑い声。
怒鳴り声。
「おい!その依頼俺のだ!」
「いや俺が先だ!」
かなり騒がしい。
そして奥には――
長いカウンター。
そこに何人かの女性が座っている。
受付嬢だ。
(ゲームでよく見るやつだ)
俺は少し緊張しながら近づいた。
一番近くにいた受付嬢が
顔を上げた。
明るい茶色の髪。
優しそうな雰囲気。
「こんにちは」
にこっと笑う。
「冒険者登録ですか?」
声も柔らかい。
(おお……受付嬢だ)
俺は少し慌てながら答えた。
「は、はい」
「今日この街に来たばかりで」
「そうなんですね」
彼女は紙を取り出した。
「では冒険者登録を行います」
「名前を教えてください」
「ユウマです」
「ユウマさんですね」
カリカリとペンを動かす。
「年齢は?」
「18です」
「種族は人間ですね?」
「はい」
受付嬢は少し笑った。
「緊張してます?」
「……少し」
正直に答えると
彼女はくすっと笑った。
「大丈夫ですよ」
「新人さんはみんな最初はそうです」
なんか安心する。
「ちなみに」
受付嬢が少し身を乗り出した。
「戦闘経験はありますか?」
「少しだけ」
「ゴブリンと……フォレストウルフを」
その瞬間。
受付嬢の目が少し丸くなった。
「フォレストウルフですか?」
「はい」
「一人で?」
「……はい」
受付嬢は驚いた顔をした。
「それはすごいですね」
「新人でウルフを倒す人はあまりいません」
(そうなのか?)
俺は少し照れた。
「では説明しますね」
受付嬢は紙をめくる。
「冒険者にはランクがあります」
「下から順番に」
Fランク
Eランク
Dランク
Cランク
Bランク
Aランク
Sランク
「新人は全員Fランクからです」
「まずは簡単な依頼をこなしてランクを上げていきます」
「なるほど」
完全にゲームと同じだ。
受付嬢はさらに続けた。
「それと」
「ギルドカードを発行します」
小さな金属プレートを取り出す。
「これは身分証にもなります」
「街の出入りや依頼の受注に必要です」
「便利ですね」
「なくさないでくださいね」
受付嬢は笑いながらカードを差し出した。
そこには――
ユウマ
冒険者ランク:F
と刻まれていた。
俺はそれを受け取る。
少し重い。
でも――
なんだか嬉しい。
「これでユウマさんは正式な冒険者です」
受付嬢が微笑む。
「これからよろしくお願いしますね」
「こちらこそ」
俺も笑った。
すると受付嬢が聞いた。
「ちなみに」
「今日から依頼を受けますか?」
俺は少し考えた。
森で素材集めもしたい。
でも――
ギルドの依頼も気になる。
「おすすめあります?」
受付嬢は少し考えた。
そして笑った。
「新人さんにぴったりの依頼がありますよ」
そう言って
掲示板の方を指差した。
そこには
大量の依頼書が貼られていた。
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