第10話 三匹のゴブリン
「ギャギャ!」
「ギャ!」
「ギャア!」
茂みをかき分けて現れたのは――
ゴブリン三匹。
一匹が棍棒。
一匹が石ナイフ。
もう一匹は何も持っていないが、
目は完全に戦闘モードだ。
(さすがに三匹は多いな……)
俺はゆっくりナイフを構えた。
さっきレベルが上がったばかりだ。
体が軽い。
視界もはっきりしている。
(でも油断はできない)
三匹同時に来られたら危ない。
まずは――
一匹ずつ。
ゴブリン達が広がる。
完全に囲もうとしている。
「ギャ!」
棍棒ゴブリンが突っ込んできた。
「来た!」
俺は横に避ける。
ドン!!
棍棒が地面を叩いた。
その瞬間――
「せいっ!」
シュッ!
ナイフを振る。
刃が腕を切り裂いた。
「ギャッ!」
ゴブリンがひるむ。
(今だ!)
俺は一歩踏み込む。
そして――
ズバッ!!
「ギャア!」
首元にナイフが入った。
棍棒ゴブリンが倒れる。
だが次の瞬間。
「ギャ!」
石ナイフゴブリンが飛びかかってきた。
「っ!」
俺はとっさに後ろへ下がる。
ヒュッ!
ナイフが空を切る。
危なかった。
(思ったより速いな)
だが。
さっきより体が動く。
レベルアップの効果だろう。
ゴブリンがもう一度突っ込む。
「ギャ!」
「はっ!」
俺は横に回り込む。
そして――
背中にナイフを突き立てた。
ドスッ!!
「ギャア!」
二匹目撃破。
残るは一匹。
武器を持っていないゴブリン。
だが――
一番怒っている。
「ギャアア!!」
叫びながら突進してくる。
「うおっ!」
思ったより速い。
ゴブリンが体当たりしてきた。
ドン!!
「ぐっ!」
少しよろける。
だが倒れない。
(今の俺なら――)
ゴブリンが腕を振り上げる。
その瞬間。
俺は体を低くした。
「せいっ!」
シュッ!!
ナイフが腹を切り裂く。
「ギャッ……」
ゴブリンは数歩ふらつき――
そのまま倒れた。
森が静かになる。
「はぁ……」
「はぁ……」
さすがに三匹は疲れる。
でも――
「勝ったな」
その時。
頭の中に声が響く。
⸻
《ゴブリンを討伐しました》
《ゴブリンを討伐しました》
《ゴブリンを討伐しました》
《ゴブリンの欠片 ×3》
《ゴブリンの欠片 ×4》
《ゴブリンの欠片 ×2》
⸻
「おお!」
合計 9個。
俺は欠片を拾った。
そして近くの枝も折る。
パキッ。
《木の欠片 ×2》
もう一本。
パキッ。
《木の欠片 ×3》
「いいね」
素材がどんどん増えていく。
俺はステータスを開いた。
⸻
ステータス
名前:ユウマ
種族:人間
年齢:18
レベル:2
冒険者ランク:なし
HP:120
MP:22
筋力:13
敏捷:13
防御:12
魔力:7
器用:15
⸻
スキル
欠片化
交換所
⸻
所持欠片
木の欠片:17
石の欠片:2
ゴブリンの欠片:15
フォレストウルフの欠片:3
⸻
「お?」
ゴブリンの欠片が
結構集まってきた。
交換所を開く。
すると――
ゴブリン装備が並んでいる。
ゴブリンフード
必要素材
ゴブリンの欠片×10
ゴブリンアーマー
必要素材
ゴブリンの欠片×20
木の欠片×10
ゴブリングローブ
必要素材
ゴブリンの欠片×10
ゴブリンブーツ
必要素材
ゴブリンの欠片×10
「防具か」
これを揃えれば
かなり強くなりそうだ。
セットボーナスみたいなのも
あったりするのだろうか?
俺はナイフを腰に戻した。
「よし」
「まだまだ素材集めないとだな」
その時だった。
森の奥。
ガサッ。
茂みが揺れる。
「……?」
またゴブリンかと思った。
だが違う。
出てきたのは――
二匹のフォレストウルフ。
「グルルル……」
「グル……」
鋭い牙。
低い唸り声。
前に戦ったのは一匹。
でも今回は――
二匹。
俺はナイフを握り直した。
「マジかよ……さすがに連戦はきついぞ」
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