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『ハズレスキル「欠片化」でコツコツ強くなる異世界冒険者生活 〜壊したものは全部素材!?〜』  作者: モノンST


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第1話 大人のコーナーの先は女神様でした

===================


日本某県某所


「今日から18歳かぁ……」


高校3年生の夏休み最後の日、


ユウマはレンタルショップの前で立ち止まっていた。


特に予定があるわけでもない。

友達と遊ぶ約束もない。


でも、今日は一つだけ特別なことがある。


そう。


今日、18歳になった。


つまり――


「ついに入れるんだよな……」


店の奥にある、あの場所。


赤いのれんがかかっている。


そう。


大人のコーナー。


今まで何度も来たことはある。


でも18歳未満は入れない。


そのたびに横目で見ながら通り過ぎていた。


しかし今日は違う。


俺は胸を張って歩き出した。


(ついにこの日が来た……!)


のれんの前に立つ。


妙に緊張する。


心臓がドクドクしている。


「……よし」


俺は覚悟を決めて、のれんをくぐった。


その瞬間だった。


足元が光った。


「……え?」


視界が真っ白になる。


体が浮くような感覚。


「ちょ、なにこれ!?」


次の瞬間――


俺は見知らぬ場所に立っていた。


真っ白な空間。


どこまでも広がる光の世界。


そして目の前には――


一人の女性がいた。


銀色の長い髪。


透き通るような白い肌。


青く輝く瞳。


そして、神秘的な雰囲気。


どう見ても普通の人じゃない。


「ようこそ」


女性は微笑んだ。


「…………」


俺はしばらく黙った。


そして言った。


「ここ……」


「大人のコーナーじゃないですよね?」


女性は少しだけ困った顔をした。


「えっと……」


「違います」


やっぱり。


女性は軽く咳払いをした。


「私は女神」


「アストレアです」


女神。


つまり――


「神様ってこと?」


「はい」


さらっと言った。


「あなたは今、異世界へ転移することになりました」


「なんで!?」


俺は思わず叫んだ。


「いやいやいや!」


「俺ただレンタルショップ来ただけなんだけど!?」


アストレアは少し申し訳なさそうな顔をした。


「その……」


「ちょっとした手違いで」


「手違い!?俺まだ童◯なんだけどー!!」


神様の世界でそんなミスあるの!?


「ですが安心してください」


アストレアは両手を合わせた。


「異世界で生きていけるように」


「あなたにスキルを授けます」


スキル?


それって……


「異世界の能力ってこと?」


「はい」


ちょっとワクワクしてきた。


「ちなみにどんなスキルなんですか?」


俺が聞くと、アストレアは言った。


「欠片化」


「……?」


「物を壊すと、欠片に変えることができます」


「…………」


俺は少し考えた。


「それ」


「強いの?」


アストレアは少し首を傾げた。


「うーん……」


「よく分かりません」


「え?」


「ただ、物を欠片にできるスキルです」


なんだそれ。


めちゃくちゃ地味じゃない?


俺はもう一つ聞いた。


「他のスキルは?」


「あります」


アストレアは続けた。


「交換所」


「欠片を使って、物と交換できます」


「…………」


俺は沈黙した。


そして言った。


「それ」


「ハズレスキルじゃない?」


アストレアは焦った。


「そ、そんなことありませんよ!」


「たぶん!」


「たぶん!?」


不安しかない。


でももう遅い。


アストレアが言った。


「それでは」


「ラグナリアの世界で」


「良き冒険を」


光が広がる。


俺の体がまた浮く。


「ちょっと待って!」


「説明足りなくない!?」


そして――


世界が白く染まった。


次の瞬間。


「……う」


俺は地面に寝転がっていた。


目を開ける。


青い空。


木々の音。


森の匂い。


「ここ……」


起き上がる。


見渡す限りの木々達


そこは――


森の中だった。


Tシャツ。


短パン。


スニーカー。


完全に日本のまま。


「マジで異世界なのか……?」


その時だった。


ガサッ。


茂みが揺れた。


俺は振り向く。


そこにいたのは――


緑色の肌。


小さな体。


ボロボロの服。


そして、手にはナイフ。


「……」


「……」


目が合う。


そいつはニヤッと笑った。


「ギャギャ」


俺はゆっくり言った。


「……ゴブリン?」


その瞬間。


ゴブリンは突っ込んできた。


「ギャギャギャァア!!」


「うわああああ!!」


俺は慌てて地面に落ちてた


木の棒を掴んだ。


こうして俺の


「異世界冒険者生活」は、


最悪の形でスタートしたのであった。

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