告白
神が頷けば天国。頷かなかったら地獄。
実はこういうことだ。
フランシス王は世界一強い国の王様だ。彼はなんでも手に入った。金も名声も力も思うままだ。しかし、彼は満足していなかった。なぜなら彼は来年には30歳になるが、王妃が未だにいないからだ。
彼は全国で王妃を募り、宮殿に人を集め選んだが、どれも彼の目に叶うものはなかった。
彼は毎晩苦しい想いにふけた。
それを見かねた大臣はこう進言した。
「王様よ。どうしても見つからないのであれば、神に頼まれてみてはいかかですか?」
王は神を信じてはいなかったが、それも一案であると考えた。
「ではどのようにして頼めばいいのかね」
「祭壇を築き100頭の牛と羊を捧げれば、神があらわれ願いを聞き入れると言われています。」
「ではそうしよう」
王は式典を執り行うように指示した。
王都に多くの人が集められ、式典が執り行われた。100頭の牛と羊ささげた後に神が現れた。
その神は王が見たどの人間よりも美しかった。
神は王に聞いた。
「君は何を望む。」
王はこの瞬間誰よりも神の伴侶になりたいと望んだ。この願いは不敬になるのではないだろうか、王は戸惑った。しかし、この機会を逃せばもう二度と聞ける機会はないだろう。
「神よ。どうか、私の伴侶とはなってくれないか」
審判の時がきた。胸がドキドキする。
神は微笑みながらうなずいた。
「いいだろう。人間界での全てを投げ出せるというのなら、私の伴侶としてやろう。」
王は喜んだ。大臣を呼び集め、自分は王をやめ神に付き従う旨を伝えた。
大臣達は驚いたが見送るしかなかった。
王は神に連れられ天界にやってきた。天使がやってきて、王を部屋までつれてってくれた。
「君が神の妻となるのかい」
「何を言っているのだい。私は夫になるのだよ。」
「なんの勘違いをしているのかは知らないが、我が神は男の神であるぞ。」
王は驚愕の顔を隠すことができなかった。