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1,「賢さ」

私たちの世界では、世界人口減少に(ともな)い、人型のロボットを増やす計画が進められていた。


多くの研究者が、その基盤となる機体を開発するのに躍起(やっき)となっている中、1人の少年が作成したロボットに世界が、着目する。


その機体の名は「ノーツ」。人に限りなく近く、あの「不気味の谷」をも乗り越えた。更に、その機体は、動力がない事でも有名で、維持費がほぼかからない。


その良い事尽くめの機体なのだが、開発者の少年の正体は、何故か開示されていない。しかしながら、私。いや、私たちは彼に感謝しないといけない。何故ならば、


――彼は、我々の“創造主”なのだから。



全世界に配給されているとはいえ、1つだけ問題があった。我々の記憶媒体と言える「メモリー」は、非常に貴重な部品である為、一般の人間には手が出せない代物だった。


その為、最初に配給される際は、1家に1台が基本となる。つまり、個人が所有するのは極めて少ない事をここでお伝えする。


何故その事を説明するかというと、私の所有者、つまり、私のマスターは、何故か複数の機体を所有しているからだ。


単純に、金持ちだからなのではないか?という返答が予想されるが、そう単純なモノではない。我々ノーツの他の部品は、確かに金銭さえあればいくらでも代用できる。


だが、メモリーだけは代用できず、滅多に市場に出る事がない。その為、運もなくてはならないのだ。


では何故、私のマスターが複数のノーツを所有しているのか?それは私の数少ない謎の一つである。もしかして――いやいや、そんな筈はない。そうマスターが、


――“裏組織の総帥”なのは、関係ない筈だ。



そもそも、私とマスターと出会ったのは、いつだっただろうか?ああ、そうだ。前のマスターが他界され、今のマスターに相続された事が始まりだった。


当時、マスターも少年だったからか、何かと謎めいた行動が多かった。例えば、私の予備パーツを選ぶ時も、いつも腕を組んで悩んでいた。


他にも、マスターは方向音痴で迷子になる事が多かった。私が周辺の場所を覚える事で改善する事が出来たが、お忍びの外出では未だに迷うらしい。


そんなおっちょこちょいのマスターだが、私も含め、他のノーツたちに慕われている。それも一重に、あの方の人徳なのだろう。だから、


――マスターの命令は“絶対”なのである。



世界は激動の時代へと移り変わった。


人間とロボットが、共存した世界。そのロボットの名は「ノーツ」。最新鋭の技術を駆使(くし)して、僕たちの世界に拡散されたパートナー。


祖父の遺言で、古びたノーツ1機と、古びた廃墟ビルを(ゆず)り受けた事をきっかけに、僕はこの世界を自由に生きていく。


ロボットは、「頭部」「右手」「左手」「脚部」の4パーツ。それと、頭脳とも言える記憶媒体「メモリー」の5つで構成されている。その人型ロボット同士を戦わせる。


それだけじゃない!


ロボットは戦わせるだけでなく、経営の手助けもしてくれる。相続されたビルは、「ジャンク屋」「配達屋」「修理屋」「カジノ」「暗殺屋」など、僕の好みで様々な施設に変更が可能。


そう、全ては僕次第!


まるでもう1つの人生を疑似体験しながら、「ノーツ」というロボットの真相を解明していく、ロボット経営シュミレーションRPG。


――「Another world~もう1つの私~」絶賛販売中!


オンライン版も同時発売!



最近話題となっている“ゲーム”。最近と言っても、既に発売から1ヶ月が経過している。その一方で、俺のプレイ時間は既に150時間を越えている。


そう俺は、どっぷりとこのゲームにハマっている。それも仕方がない。ゲームの宣伝文句で言っていた通り、このゲームはロボット世界を疑似体験出来るゲーム。


オープンワールドでこそないが、自身の取捨選択はまさに自由。条件さえ揃えば、メインストーリーのクリアは30分もかからない。


その一方、やり込み要素の一つである“リアル システム”が、長時間プレイの原因だ。


説明すると、このゲームの戦闘は、お金がかかる。具体的に言えば、射撃型では銃弾数。格闘型では武器の耐久値が存在し、それぞれ使い過ぎると、弾切れや武器が壊れてしまう。


また、「メモリー」は、最初に相続するモノを含め、全てランダムで生成の一点限り。そう、一点限りなのである。


一見、面倒な要素ではあるものの、このシステムによって、如何に1つ1つの戦闘を効率的に行うのか?どう金銭を節約するのか?考えるのが好きな人間にとって、これは素晴らしいシステムだ。


勿論、売買の値段などの市場は、ゲームごとで違う為、ネットの攻略サイトはあてにはならない。だから、決まった金策もない。


それ故に、人によって紡ぎ出す物語が異なるゲームの為、動画サイトは玄人(くろうと)から新人関係なく、再生数は高い。それはそうだ、


――1つとして、同じプレイはないのだから。



そう言えば、1つ疑問があった。


このゲーム「HP」「攻撃」「防御」「速さ」「賢さ」の5項目のパラメーターに能力値を振ることが出来る。でも何故か最初の機体だけ、


――“賢さ”に、何故か振れない。

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