祖父
おじいちゃん。
俺が病気になり、心配をかけてしまった。
だから、癌になり、亡くなってしまった。俺の所為だ。
だけど、よく夢に出てお話してくれる。
その日は、夢の中で野球のテレビゲームをしていた。
「もっと楽しんでほしいのう」
「じゃあ、違うゲームする」
その夢の中で、おじいちゃんと俺は、少しよく分からない会話をしていた。そしてゲームソフトを入れ替える時、おじいちゃんは消えてしまった。その時、俺は気付いた。
『これは夢で、現実のおじいちゃんは、もう死んでしまっている』
溢れ出る悲しみと共に、やるせなさを感じ、俺は夢の中でも布団の中に入り込んでしまった。すると――、誰かの手が俺の腕を両手でしっかりと握ってくれていた。力強く、元気を出してと、訴えるかの様に――。
(ずっと近くに居てくれたんだ……)
俺の腕を握っているのは、亡くなったおじいちゃんだと、すぐに分かった。
夢の中で夜が明けて、布団の中から出ると、もう夢の中でも会えないと思っていたおじいちゃんが、居間にいた。
「おはようさん」
おじいちゃんが、生前と変わりなく、笑顔で挨拶してくれたので、泣いて泣いて、泣いた。
今度は本当に目が覚めて、ロフトの布団の中。誰も居なかった。涙と鼻水だけ、一緒だった。