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色彩女王シリーズ

赤の女王と占い

作者: リィズ・ブランディシュカ



 赤の女王はとても愛らしい女性だった。


 誰もが彼女に恋をせずにはいられない。


 しかし、赤の女王は人から愛されても、人を愛す事ができなかった。


「愛ってなあに?」


 赤の女王はずっとそれが分からなかった。


 だから、彼女がいる炎の国の一部では、いつも炎が噴き出していた。


 彼女の心が反映されるその世界では、いつもその場所から炎が噴き出し続けていた。


 赤の女王は、心の中にどうしようもできない何かを抱えている。


 それは、誰かに相談出来る事でもないように思えて。


 そして、誰かに何とかできるようなものでもないように思えた。


 だから、赤の女王は「占い」に心をあずけた。


 都合のいい答えをもたらしてくれる「占い」を心のよりどころにした。


「占い」通りにすごしていれば、いつか自分が愛を知る事ができると思いながら。


「占い」通りに過ごさなければならないと、自分自身で決め込んだ。


 そして、赤の女王に運命の「占い」が言い渡される。


 それがすべてを破滅へ導く「占い」だとは、その時はまったく知らずに。



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