9.アメリカからやって来た自走砲
ウクライナ国防相がハイマースを受け取った際のコメント、「熱い夏がやって来る」がすごく格好良いなと感じました。
今回は夕方色に染まる草原に、ダークグリーンのハイマースを配置しましょう。
「じゃーん!」
『M142 HIMARS』。ハイマースとは、ハイ・モビリティー・アーティラリー・ロケット・システムの略で、高機動ロケット砲システムとも言われます。
ハイマースは、多連装ロケット砲を搭載した装輪型の自走砲です。長射程で砲撃が可能な上、機動力も高く、ウクライナ軍が国土を取り戻すための強力な味方になってくれているでしょう。
「すっごい!」
アメリカから供与された兵器の中でも、今では知名度が特に高いハイマース。あのロシアが、相当に厄介だと思っている兵器でもあります。
そして、あなたもこう思うでしょう。厄介なのはハイマースではなく、未だにウクライナの領土内で陣取っているロシアだということを。
親ロシア派は八年間というキーワードが好きなのであえて言いますが、その八年間で、ウクライナ軍がハイマースを使ったことはありません。ロシアが侵略を始めたので、ハイマースがアメリカから渡されて、ウクライナの地に登場したのです。
ハイマースの攻撃をロシアは非難しますが、自業自得でしょうね。
ウクライナもロシアもお互いに、様々な兵器を破壊したと報道しています。ウクライナには占領された領土を取り返すというしごく真っ当な理由がありますが、ロシアにはそれ以下の理由しかありません。
ウクライナの領土に兵器を持って来て、そこで使っていること自体、あってはいけないことです。それで砲撃されたら、民間施設がやられたと主張します。
ロシアが占領した地域の軍事拠点って、多分、ウクライナの建物を勝手に奪って使っているのですよね。あるいは親ロシア派から提供されたのかもしれませんが、どうにしても違法でしょう。
例え敵の軍事拠点でも、ハイマースでの攻撃はしないほうが本当は良いのですが、しなかったらロシアが支配を強めて完全な乗っ取りをするだけですからね。撤退を未だにしていない以上、ロシアは文句を言える立場にありません。
少数のハイマースで劇的に戦況が変わるとは思いませんが、ロシアにはとっとと自国に戻ってほしいものです。
ハイマースは、最新の兵器というわけでもないのです。
ハイマースを破壊したと喜んでいる連中が嫌い。ウクライナを擁護する理由は、これだけでじゅうぶんです。