5.ヘルソン州のことを思う
ひまわり、ヒマワリ、向日葵。
あなたは今、ひまわり畑にいます。たくさんのひまわりが咲いていて、綺麗です。
今回の話題は、ウクライナ南部のヘルソン州。
ヘルソン州は、隣国による侵略によって3月中旬頃、占領されてしまいました。
侵略、と、あなたに言ったのは、ウクライナ東部の同胞を救うという名目でやった特別軍事作戦とは関係ないからです。
へルソン州は地図で見ると右側にあるザポリージャ州と同様に、ウクライナの南部にあります。あなたが地図を見れば、そんな事実は容易に確認出来るはずです。
東部の占領もおかしな話なのですが、南部はさらにおかしいでしょうね。
攻撃を仕掛けた。
多くの避難民を出した。
あらゆるものを破壊し、不当に奪い取った。
あの国によるヘルソン州の侵略は、正当性がありません。
侵略がなければ、失わずに済んだ命も多くあったでしょう。
現在、ヘルソン市の市庁舎も、敵に奪われてしまっているみたいです。
「この悪質な手口、八年前にもやってたような……」
そんな声が、どこかから聞こえてきそうですね。
悪の国は、ふざけた住民投票をやろうとしたものの、さすがにヘルソンでは、この強引なやり方は支持されなかったようでした。今のところ、まだおこなっていないみたいです。
だからこそ親ロシア派は、代わりに大好きな編入要請をやるのでしょう。そんなことをしていないで、早く出て行けばいい。
勝手に作られた州政府。
混乱の中で勝手にやろうとした住民投票。
真っ当な道から外れた、どうしようもない支配は、いつまで続くのでしょうか?
南部の占領が違法なのは、覆しようがない事実です。ウクライナ側の攻勢があったとしても、向こうが違法・違反と喚く権利は一切ありません。
「あっ……」
ひまわり畑の横の農道で、古いアルビオンとソーニークロフトのトラックが並んで走って行きました。
これは、現実ではあり得ないことかもしれません。
ですが、安定的な平和は、現実でもあり得てほしいと思います。
不安定な状態は、どんなに長所を並べても、悪。