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【ウクライナ情勢】防衛線を見守るあなたに  作者: 栗野庫舞
第4集 領土的野心はないと言うのに、領土割譲をいつも要求する。奇妙な現象
381/455

381.キーウ陽動説

今回の議論は、2025年5月5日頃にも見かけました。


ブロンズガラス「ロシアはウクライナ全土から撤退しろ」

 あなたはいつものパブにいます。国際的にいくつもの紛争が起こる中、今回もウクライナ関連の話です。


 今回は、いわゆるキーウ陽動説。


 テロ国家ロシアの侵攻開始時2022年の、ウクライナ北部のキーウ侵攻は陽動だったという意見を、未だに見かけます。


 まず、陽動と、合意による撤退は、同じにならないことを先に言っておきます。


 それで、陽動説の根拠は、およそ4万と思われる兵力では少な過ぎて無理、本当に首都を制圧するならもっと多い兵力を投入している、とのことです。


 確かに少ないのは事実でしょう。


 ただ、かつての侵略、2014年のクリミア併合時の兵力は、もっと少なかったようです。


 親ロシア率も高かったことから、犠牲もすごく少なく、簡単に奪えたクリミア併合での実績を考えると、今回もこれぐらい……少ない兵力でもじゅうぶん行けると踏んだ可能性は、捨て切れません。


 第二次大戦の独ソ戦よりもはるかに少ないという意見もありますが、現代では当時と状況がまるで異なり、単純に数での比較は出来ないでしょう。ロシアによるウクライナ侵略は、当のテロ国家ロシアによると、戦争でも侵略でもなく、特別軍事大作戦だそうですし。


 そもそも、陽動とはロシアによって公式に発表はされておらず、当時発表されていたのは、北部での作戦を削減し、東部に力を入れるというものでした。


 奇襲のため、情報伝達が制限され、不十分な状態で特別軍事作戦が始められたとの噂話もあります。


 兵力が少ない、陽動だったという説よりも重要なのは、ロシア軍がウクライナ北部からも侵攻したことでしょう。これは明らかな悪事なのに、この悪事を全く非難しないで陽動だったとだけ語るのは、褒められることでは決してありません。


 理由はどうにしても、ロシアはウクライナ北部から排除されました。もちろん、その際に敵味方、多くの被害が出ました。


「ロシア軍がウクライナ北部から撤退して良かったじゃん!」


 これで済ませればいいだけの話だと思うのですが……。


 なお、侵攻当初、親ロシア派はすぐにキーウは陥落すると(さわ)いでいましたが、陽動論は語っていなかったと思います。


 当時のロシア兵によると、訓練と聞かされていたという話もありました。これは嘘である可能性もあります。そのため、このことには深入りしません。


 問題なのは、ロシアが投入した兵力が少ないという点です。陽動であれば、兵力を多くする必要がありません。


 一方、ウクライナは首都防衛のための士気は高く、不法侵入したロシア軍に対し、自衛権という、ロシアの語るインチキ集団自衛権よりもはるかに正当な権利を持っています。


 自衛権の行使により、ロシア軍を遠慮なく殲滅(せんめつ)することが出来ます。


 陽動部隊って、要は捨て(ごま)ですよね。


 陽動を作戦として用いるのは、軍国主義ロシアの言う非武装化、中立化、非ナチ化には役立つかもしれませんが、住民保護という理由を挙げるなら非人道的過ぎる気がします。兵力を減らしてでも武力で目的を達成せよってことですから。

フェンダーミラー「侵略者ロシアはおかしい」

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