287.空母売却の件について
ヴァリャーグ航空母艦「ロシアの侵略はおかしい」
今回は、よく言われることについて。
一部の人間達が、次のようなことを主張しています。
「ウクライナはC国に空母を売った。だから、日本はウクライナに味方をするべきではない」
仮にこれが正しい主張とするなら、日本ではC国と呼ばれることもあるこの国は、空母を売ってもらったのに、なんでウクライナに味方しないのかと、疑問に思いますよね。
で、ウクライナが空母を売ったのは、事実です。この話の詳細を、語ることにしましょうか。
売却が決まった1998年当時、ヴァリャーグ航空母艦は未完成のまま、放置されていました。この空母はウクライナとロシアで所有権を争っていた経緯があったのですが、最終的にはウクライナの所有になっています。
スクラップ状態に近かった本艦は、マカオのC国系列の民間会社が落札し、娯楽施設の入った洋上ホテルとして完成させることになっていました。しかし、その民間会社は設立されているだけの会社で実態はなく、また、マカオの港は水深が浅く、大型艦は入港出来ないところでした。これらのことから、C国の空母として利用されるという暗黙の了解はあったのでしょうが、一応は軍事利用を禁じた売買契約が交わされていたそうです。
2002年、同艦はマカオではなく、C国の港に入ります。2005年頃から様々な改装をおこなわれ、2012年にC国の空母として完成しました。
もし、この空母が原因で日本が被害を受けたら、運用するC国が悪いと思うのですが、そこを通り越してウクライナが悪いになるのは、おかしくないですか? かの有名な豪華客船タイタニックが沈没した際、責められたのは運用会社であって、売った造船所ではないですよ?
それと、C国はヴァリャーグを研究して次に国産空母を作った、だからウクライナが悪い、という意見にも、疑問です。研究して作ったのはウクライナじゃないですからね。兵器を研究して作ることよりも、その兵器を運用し、攻撃することのほうが、罪は重いはずです。
以上のことを踏まえてもなお、一部の人間達が、ウクライナに味方するべきではないと主張するなら、容認しましょうか。
ただし、
「日本は非友好的なロシアにも味方すべきではない」
ということを、合わせて主張するのであれば、ですけど。
侵略を肯定しているロシアに味方することこそ、愚の骨頂です。
日本の北方領土と同じようにウクライナ領土を奪い取っているロシアに味方しろなんて言うのは、それこそスクラップ以下の人間でしょうね。
リガ航空母艦「ロシアはウクライナから撤退しろ」
ヴァリャーグの改名前。




