表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【ウクライナ情勢】防衛線を見守るあなたに  作者: 栗野庫舞
第3集 三人組がパブにやって来た。これは必読
263/454

三人組がパブにやって来た。後編

今回は、263.です。今回も暴力的な描写があります。


巡航戦車マークIII“クルーザー3”「侵略者ロシアはおかしなことばかり言う」

「我々が出て行った後、あいつは何をしたと思う? 電話で警察に通報しようとしていたんだよ」


「なんというやつ!」


 エージェントさんの語りにべとべとさんが怒鳴りました。


「法を守らないような奴が司法の番人に助けを求めるなよ、うらぁっ! と蹴られて、通報は阻止された。民主主義の何が気に入らないだッ、うらぁっ! と別の仲間に蹴られた。侵攻は国際法違法じゃないんだったよなぁ、うらぁっ! と、さらに別の仲間に蹴られた。電話じゃなくて降伏しろよ、うらぁっ! と、続けて蹴られた。政府の侵略国非難に逆らう非国民がッ、うらぁっ! と、蹴られた。この犯罪者予備軍がッ、うらぁっ! と、蹴られた。支援に頼らないで自分でなんとかするんだろ、うらぁっ! と、蹴られた」


「総攻撃ですね……」


「うちも仲間に入りたかった!」


 困惑している表情のジーリエスさんと、好戦的なべとべとさんでした。


幾度(いくど)も蹴られ、床に倒れていたそいつの顔を強引に持ち上げて、ボクは間近(まぢか)で脅すことにした。――我々は、この歴史的領土を保有する権利を放棄したわけではない。お前がまたふざけた言動を通そうとするのであれば、我々は再びここを解放をしに来るだろう。そうならぬよう、自身の悪行を反省しながら生きていくんだな、と」


 エージェントさんの声には迫力がありました。


「その後、我々は自走砲と8人乗りセダンにそれぞれ乗車して、歴史的領土から出発した。もう二度とこんなところに来ることがないよう願いながら。……以上が、ことのあらましだ」


「侵略を擁護するやつの家を、廃墟にしなかったの?」


 べとべとさんは不満を持っているようです。


「ああ。我々は(くさ)り切った侵略国家とは違う。領土的野心も、持ち合わせていない。我々の目的は連中のような破壊と殺戮(さつりく)ではなく、おかしな思考の持ち主を(ただ)してやることだったからな。さらに付け加えると、この一件では驚くべきことに、死者は一人も出なかったんだ」


「なんという人道的な活動!」


 べとべとさんは大声を出しました。


「とても素晴らしい物語で感動した! このお話は映画にして世界中に発信するべき!」

「感動的なドラマを見ても泣いたりしないのに、なんで涙を流しているんですっ?」


 ジーリエスさんは涙目のべとべとさんに納得がいかないようでした。


 と、ここで、ジーリエスさんはあなたの視線を見つけました。


「すみませんね、騒がしくて」


 ジーリエスさんはあなたに謝罪しました。目つきが鋭くても、彼女が一番、真っ当なようですね。


 それから少し経って、エージェントさんは店内のあるものに目をつけました。


「しかしこの店はいい。『本物』のドネツィク州の旗が掲げられている。ドネツィク州旗(しゅうき)は我が国とも通じるものがあって素晴らしい。それに、ウクライナの国旗も美しい」


「うくらいなに勝利を!」


 べとべとさんは大声で言いました。もう泣き()んでいます。


「ウクライナに勝利を」


 エージェントさんも続きます。


「……ウクライナに勝利を」


 二人の視線を感じ、ジーリエスさんも小さめの声で言いました。


 続いてあなたも、彼女達に向かって、ウクライナに勝利を、と言いました。


 彼女達は全員、それぞれの満足げな表情を返してくれました。


 特にべとべとさんには、大層(たいそう)喜ばれているように見えましたとさ。


 めでたし、めでたし。

侵略者ロシアが占領している地域は、クリミア自治共和国、セバストポリ特別市、ルハンシク州、ドネツィク州、ザポリージャ州、ヘルソン州、ハルキウ州。


占領されていた地域は、南部ミコライウ州、オデーサ州のズミイヌイ島、東部ドニプロペトロウシク州、ポルタバ州、北部チェルニーヒウ州、スーミ州、キーウ州、ジトーミル州。


合計15地域。


この数の分以上は蹴りつけようと思いました。


ウクライナの罪はあったとし、逆にロシアの罪はないと主張するおかしな敵を(いまし)めるため、何度も蹴りつける内容になりました。おかしな主張を、おかしく再現してみたのです。


おかしなロシア擁護者達は、今回の話でも、「これは侵略じゃない、集団的自衛権の行使だ」って言うんじゃないですか。


巡航戦車マークIV“クルーザー4”「ロシアは侵略をやめて、ただちに帰るべき」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ