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【ウクライナ情勢】防衛線を見守るあなたに  作者: 栗野庫舞
第1集 敵が侵略を開始した
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2.リシチャンシクの戦車とインクの切れたペン

残念なことに、ロシアの侵攻によって、ロシアに関わるものが悪印象になってしまいました。これは今後も、変わらないと思います。


 あなたはまだ、イギリスの酒場(パブ)風の店舗の中にいます。


 木製カウンターの上には、インクの切れたペンを置きましょう。


 今回の話題は、こちら。


 ウクライナ東部ルハンシク州、セベロドネツィク地区のリシチャンシク市。


 現在、ロシアのウクライナ侵攻によって、州内の北西にあるリシチャンシクはウクライナ・ルハンシク州の最後の拠点となっています。ですが、すでにルハンシク州の臨時州都のセベロドネツィクはロシア側に占領され、リシチャンシクもウクライナ軍は撤退の可能性があると言われています。


 まずは、簡単に近年の歴史をお話します。


 2014年4月27日、親ロシア派の自称・人民共和国が宣言されました。リシチャンシクは人民共和国の武装した民兵が、支配下に置いていたようです。


 2014年5月22日にウクライナ軍との戦闘が始まり、ウクライナ軍が市を奪還。


 2014年7月24日以降、ウクライナ側の支配下になりました。八年後の現在まで、それは変わっていないはずです。


 ということは、遠方から砲撃していたのは、攻め込んでいるロシア側だと思われます。


 リシチャンシク市には、暗い緑色のT-34-85があるそうす。T-34は第二次世界大戦の間にソ連で生産された中戦車で、85は主砲を強くした仕様となります。


 T-34は、リシチャンシクをドイツから保護・解放した方々に敬意を表して、台座に飾ってありました。


 まさか2022年にもなって、ソ連の多くを引き継いだロシアが解放と称して、この市にも侵攻して来るとは……。皮肉と言うしかありません。


 ウクライナと独立派との紛争から、ロシアの加勢による侵略地域拡大へ。


 旧ソ連同士の今回の戦闘を防ぐための正解は、なんだったのでしょうか?


 もし、あなたの前に置いたペンのインクが切れていなかったとしても、答えを書くことは出来なかったでしょう。

リシチャンシクのT-34は2015年11月と2016年7月に、ウクライナの活動家によって、青と黄色のウクライナ国旗の色で塗装されていたそうです。二度目では、民族主義者と思われる人物が元の色に塗り替えようとしたので、T-34は再び緑色に戻りました。


このT-34は、どういう経緯か不明ですが、現在では道端に移動させられたようです。


ルハンシク州が全て奪われたら、日本の北方領土のように、ウクライナに返還されるということはないのでしょうね。

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