ミンスク合意
今回は107.です。
ヒルマン10HPライト・ユーティリティ“ティリー”「ロシアは武力制圧をやめろ」
2014年のミンスク合意は、紛争の和平のため、ウクライナが分離独立派と呼ばれる二つの人民共和国の支配地域に特別な自治権を与えるというものでした。
この合意に関して、よく言われることがあります。
「ウクライナ側が合意を守らなかった」
「ウクライナが合意を反故にした」
といったものです。
確かにウクライナが自治権を与えることはありませんでしたが、二つの人民共和国側も武器の使用停止、違法な武装勢力の撤退を守りませんでした。お互いに合意を破っているのに、これをロシアが侵攻するための大義にされても、理不尽じゃないでしょうか。
また、2022年までの、
「八年間、ウクライナ側が一方的にドンバス地方を攻撃していた」
とも、一部では言われています。
これも調べれば分かりますが、一方的というのは、嘘です。ウクライナは攻撃をしていましたが、二つの人民共和国も、同じようにウクライナ側のドンバス地方の支配地域を攻撃していました。
もし本当に、一方的にウクライナが攻撃していたのなら、二つの人民共和国の武装勢力はとっくに滅んでいたと思います。今の状況を考えると、そのほうが犠牲は少なかったかもしれません。
ミンスク議定書に対して、ロシアがウクライナに順守するよう言っていたという話もあります。実際、そうなのでしょう。ですが、口では何とでも言えます。
ウクライナからすれば、クリミア半島を混乱に乗じて奪い取った国からそんなことを言われても、反発するだけでしょう。むしろ、二つの人民共和国に自治権を与えたら、クリミア半島のように奪われるのではないかと警戒するはずです。
それに、二つの人民共和国の支配地域に特別な自治権を与えたら、他の州では当然不満が出るでしょう。
そもそも、ロシアになりたい二つの人民共和国側が、特別な自治権で満足するとも思えません。自治権を与えられたら、よりロシアと接近し、ドンバス地方の非支配地域も手に入れようと、今と変わらない状況になっていた可能性もじゅうぶんに考えられます。
ミンスク合意は上手く行かないような内容であり、ロシアによる侵攻も防げませんでした。
なお、この合意の話を持ち出しても、ザポリージャ州とヘルソン州の占領の説明には全くなりません。
ザポリージャ州とヘルソン州でのロシアのおかしな占領は、真っ当な理由が説明出来ない以上、悪事だと結論づけることが可能です。
オースティン10HPライト・ユーティリティ“ティリー”「ロシアには上手くいかない未来が待っている」




