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【コメディ】かんきりかん
「缶切り缶」というのが売っていた。
缶切りの缶詰め、らしい。手に取ってみるとなかなかの重量感。軽く振るとカタカタと金属の音がする。
パッケージを見ても缶切りの写真が貼ってあるだけ。説明文はない。タブがないので開けるには別に缶切りが必要なようだった。
なにこれ。
首を傾げていると、買い物客のお婆さんが僕の脇から手を伸ばし、首を傾げながら缶を一つ買って行った。
さらに、それを見ていた親子連れとかサラリーマンとか、いろんな人が買っていく。
……買ったら意味が分かるんだろうか。
僕はよく分からないまま、缶をかごに放り込んだ。
商品開発部の二人が、缶切り缶を手に話をしていた。
「これ、売れてるみたいですね」
「ああ。ふざけて考えた奴なのに、なんで売れてんだろうな」




