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暇つぶしショートショート集  作者: 鈴木空論


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【ホラー&コメディ】呪いの人形

 ある日のこと。

 友達の家に遊びに行った姉がボロボロの日本人形を抱きかかえて帰ってきた。

 まさに呪いの人形、といった感じの不気味な見た目の人形だった。


「どうしたのそれ」

「可愛いでしょ? 欲しいって言ったらぜひ持って行ってくれと言われたから貰ってきたの」


 聞けば、その人形は本当にいわく付きの呪いの人形だという話だった。

 その友達の家に昔からあったもので、定期的に怪奇現象を引き起こしていたのだそうだ。

 高名なお坊さんなどにも頼んだがまるで治まることはなく、また祟られたりしたら怖いので捨てるにも捨てられない。

 途方に暮れていたところに姉が遊びに来て、その人形を見るなり「可愛い!」と言った。

 それで友人一家は渡りに船とばかりに姉の気が変わらないうちに人形を押し付けた。


 姉の要領を得ない説明から推察するに、どうやらそんな事情のようだった。



 その人本当に友達なの? と思ったがそれは口に出さず、私は別のことを尋ねた。


「その人形、大丈夫なの?」

「平気平気。こんなに可愛い子なのに悪いことなんてするわけないじゃない」

「可愛い……?」

「あら、可愛くない? 今はちょっとだけ汚れちゃってるけど、綺麗にしてあげたらきっと見違えるわよ」

「そ、そう……?」


 姉は能天気な上に少々感性がずれたところがある。

 まあ私も私たちの両親も人形の祟りとかそういうオカルトは信じていない。

 本当に怪奇現象が起きたらその時どうするか考えようということになり、とりあえずは姉に任せることにした。


 姉は人形のボロボロの衣装を脱がし、体の汚れを丁寧にふき取った。

 そして新しい服を着せ、ボサボサだった髪もまっすぐに梳いてやった


「これでよし、っと。せっかく可愛くしたんだから暴れちゃ駄目よ?」


 姉はにっこり笑うと人形の頭を撫でた。



 それから姉は定期的に人形の服や髪型を変えてやったりしていた。

 私もその人形を最初の内こそ不気味に感じていたが、見慣れてくると可愛く感じられるようになっていった。


 ちなみに、姉の友人一家を襲っていたという怪奇現象の類はうちでは一切起こらなかった。

 むしろこの人形が来てから今までよりも良い事がよく起きている気がする。


 この人形、雑な扱いをしていたから祟っていただけで本来は座敷童みたいな子なんじゃないだろうか。

 オカルトは信じていないが、私はそんなことを考えた。

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