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2ー2 カスタマイズ Episode 1

アユムが「ブリスター・バッグ」やタブレットとにらめっこしていた理由は、アレッツのメンテナンスとカスタマイズ。と言ってもメンテナンスは基本フリーなので、すべき事はカスタマイズ…強化だけ。昨日の戦いでマテリアルが手に入った。これで少しは強くなれるだろう。


アユム機は全身を下から2番めの汎用型パーツで構成した機体。宇宙船の残骸の中から手に入れて以降、道中様々な敵と戦って様々な経験をして、何とかここまでカスタマイズ出来た。何としてでも旅を完遂するため、どんな相手でも倒せる様に、弱点の無い様に全体を満遍なく強化した。まぁ、そこには、アユムが好きで見ていたリアルロボットアニメの主役機の影響も強いのだが…


ただ、汎用とは言え、どちらかと言うと精密動作性、機動性寄りらしく、言い換えれば出力、積載量に劣る。まだ強化途上という事もあり、銃と剣とを同時装備出来ないのだ。


これを何とかするためにアユムが取った手段が、「銃にも剣にもなる武器の開発」。その結果産まれたのが、「アンブレラウェポン」だ。

現実世界でも旧日本軍が同じコンセプトの武器を開発していたらしいが、互いの存在が互いのデッドウェイトになった上に、剣による斬撃の衝撃が銃の精度を狂わせたとの事で、すぐに廃れたらしい。

その点ではこのアンブレラウェポンは、ガンモード…パーティクルキャノンの加速器とブレードモード…パーティクルブレードの発振器を同じパーツで兼用出来る上、ブレードモードでの斬撃の反作用も同じパーティクルブレード同士の丁々発止の衝撃も、刃を形成する力場が吸収してしまうため、ガンモードへのダメージはほとんど無い。


実はこれ以外にも、ブレードモードの力場を転用したシールドモード…光の盾を広げた傘の様に展開する…も存在するのだが…ダイダが弱すぎて前回は使う機会がなかった。


ただし、欲張りすぎた武器であるため、ブレードモード、ガンモードいずれも、同レベルのパーティクルブレード、パーティクルキャノンと比べて劣るという問題がある。


(やはり早いうちにキャノンかブレードを作ったほうがいいよな…)


昨夜の戦闘で手に入ったマテリアルは2000…プロトアレッツを2体倒して500✕2マテリアル、ダイダのグロウしたてのアレッツを倒して700マテリアル。残り300は…ワイヤーガンによる壁登りと窓破壊だろうか…


(少なっ!…やっぱりダイダ達はよっぽど弱かったんだな…ていうか、グロウしたてのダイダ機って、壁登り2回分でしかないのか…!?)


前回カスタマイズ時の残りの300と合わせて、何とか1箇所、1段階上のパーツに置換出来るくらいか…!?この先の事も考えると、あまり無駄な装備にマテリアルは割けないが…


アプリのシミュレートモードで、アンブレラウェポンを外して、代わりに同レベルのパーティクルキャノンとパーティクルブレードを装備させてみる。


ブーーーっ!というビープ音が鳴り、画面に、

”Error! Converter’s Capacity Over”

“Error! Arm’s Weight Over”

と出る。


「うん…分かっていた。」コンバータ容量不足に腕部重量超過。


武器をアンブレラウェポンに戻して、胸部のコンバータを1つ上の物に置換する。


ブーーーっ! ”Error! Leg’s Weight Over(脚部重量超過)”


今度は脚部を上げる…


ブーーーっ! ”Error! Generator’s Power Over(ジェネレータ出力不足)”


脚部のジェネレータを換装…


ブーーーっ! ”Error! Leg’s Weight Over”


「………あぁもう…ダイダ何であんなにショボいんだよ!!」


…結局、腕部の積載量の許す範囲で、左腕に小型のシールドを追加した。これ、役に立つのか…!?


ちなみに、タブレットのアプリで可能なアレッツのカスタマイズには、カラーリングの変更も含まれている。アユムは自身のアレッツを深い青を基調に所々に金をアクセントで入れた物にしているが、これは今、彼の首からかかっている小さなお守り袋の中の小さな青い石がモデルとなっている。更に…右のカメラアイの金色だけは、何をどうやっても何故か変える事が出来なかった。まぁ、オッドアイみたいで格好いいから、これはこれで気に入っているが…

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