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第四章☆実習生
「はじめまして、荒巻博士」
「おお!待っておったよ」
二人はぶんぶか握手を交わした。
「民間の研究所からこういった国の直営の研究所へ来れて光栄です」
「うむ。実りある実習をされてください」
「はい」
にっこり微笑んだ好青年は、常に何人か研究員が一緒の昼間の実習を終えると、夜間にこっそりあてがわれた部屋を抜け出して、秘密裏に鍵がかかっている区域へ忍び込んだ。
ぴゅーい!
口笛を吹くと、どこからか鳥が飛んできて肩にとまった。
「感度は?」
『良好よ』
「どっちへ行ったらいい?」
『まず、3階へ』
「オケ」
コンコココン。
部屋の主が気づいてアクリル板の窓から廊下を透かし見た。
「ひよりちゃん!!」
「えっ!?修一さん?」
「助けに来たよ」
「だめ!」
「なんで?」
「早く安全なところへ戻って」
「もう、遅いよ」
!?
荒巻博士が立っていた。
後ろに銃を構えた警備兵も二人ついている。
「外部で接触したのかね?」
「……」
「ここの研究所で消息を断ったとさわがれてはいかんしのう」
「ひよりちゃんを自由にしてあげてください」
「ひより?名前をつけたのかね?」
荒巻博士はしばらく考えていたが、
「明日、国外の研究所へこの二人を連れてゆく」
なんの思惑があってか、荒巻博士はにやりと笑った。




