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無人駅  作者: ふりまじん
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メッセージ

メッセージが一件届きました。



はじめまして。

私は、どうそじんと申します。

先日の活動報告を見てメッセージを書くことにしました。


三年目の活動で、評価やアクセス数が伸び悩んでいるから、少し派手な事をして、閲覧数を増やしたいと書いてありましたね。

最近、更新までの日数が延びてきて心配していました。


確かに、感想や評価が無いのに創作活動を続けるのはとても難しいです。

でも、そんな中でも頑張っていらしたあなたを私は密かに応援していましたし、自分の世界を曲げない執筆活動に尊敬もしていました。


しかし、一ヶ月も更新の無い状態に、あなたの気持ちを考えると私は反省しているのです。


もっと早くこうして感想やメッセージを送るべきだったのではないか、と。


そんなモヤモヤしていたとき、私はSNSであなたのものと思われるアカウントをある有名作家のサイトで見つけてしまいました。


嫌われるのを覚悟ではっきり言わせてもらいますが、あの人には関わらないほうが良いです。


あの人は、あなたが付き合うにふさわしい人物ではありません。

奴にとって近づいてくる素人作家など、ポイント稼ぎの餌でしかないのです。

そんな人間から貰ったポイントで作品をランクインさせても幸せにはなれません。それなりの汚い代償を払わされる事になるからです。


その事を知ってから、私は、ずっと悩んでいました。

私の話をするべきかと。


私も昔、このサイトで小説を書いていました。


評価もポイントも少ない…いわゆる底辺作家と言う奴でした。


それでも、少ないポイントとブックマークでも満足していました。

自分の作品が好きだったし、少ないとはいえ、素敵な読者に恵まれていたからです。


同級生のアイツが登録してくるまでは。


アイツは頭の良い友達が沢山いました。


冗談でクラスメートに登録された小説サイトで適当な話を書いては楽しんでいました。


正直、宣伝活動やキャッチコピーは上手かったと思います。

そんなアイツはネットでもすぐに人気者になりました。


そうして、休み時間にサイトの作品の評価や感想を発表するようになりました。


私の作品は、アイツの歯牙にもかからないほど底辺にありましたし、

私は不人気ジャンル、ホラーカテゴリーにいたので、アイツに知られる事なんてないと思っていました。

それでも、見ず知らずの人たちの作品を、分別ゴミに例えて遊ぶ姿は気持ちのいいものではありません。


実際、私の存在なんて知られる事はなかったのですが、私の作品は違いました。

確かに、私の作品はランキングには関係ありませんが、新着欄でたまたまアイツの目に留まったために、

クラスの人気者達にオモチャにされたのでした。


私は、他人のふりをしながら、自分の作品がなぶられるのを聞いていました。

でも、アイツの言い分が正しいとは思えなかったのです。

アイツの作品は確かに、私が見たことの無い高ポイントを持っていましたが、

それは、学校と言う場所で公言した、人気者が書いた作品だからに他ありません。


作品だけの評価なら、私は、アイツの作品に負けるとは今でも思っていません。


実際、アイツは私の作品の優劣をブックマーク数で決めつけて嘲笑っていたのですから。


そう、現在のあなたのように、その作品は10万文字の始めての完結した作品で、

評価点も少なくブックマークも一桁の作品でした。


その時、私も神に…

いいえ、叶えられるなら悪魔にでも評価点を願いました。


作品に自信はありました。

私に無いのはその作品を飾るシンデレラのドレスとガラスの靴。


中身が同じでも、おろかな人間は外見で判断してしまう。

だから、私は、公平な視点で作品が読まれるためのポイントを、シンデレラのドレスを欲したのです。


そうして、私もインターネットの森をさ迷ううちに、本当に魔神に出会ったのです。

勿論それはネットでの彼の称号で、本当の魔神の事ではありません。念のため。


今でも、どうしてそう信じられたのか、上手く説明できませんが、

その時の私は、自分のSNSに現れた魔神の取引に乗りました。


彼は言いました。


ある駅に途中下車して次の電車が来るまでに短編を一つ、作成、投稿しなさいと。


君に精霊の声が聞こえたなら、きっと、トップランカーになれるだろうと。


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