こうしてやっとこさ冒頭のシーンへとリターンマッチ!
気楽に書いたので気楽に読んで下さい。
――静岡県伊豆市の山中でまたもや? ミステリーサークルの摩訶不思議……!――
事件現場は俺達『聖コンヴァルテ大学』のフットサルサークル(川口、鳩ヶ谷、浦和、深谷)が宿泊しているコテージ。名も知られていない山の中。山頂で発生。
今時珍しいアンティークブラウン管テレビの中で結構よく見るメジャーな報道番組がこの事態に慌てふためく。
「これぞ正に古代オリエント時代から続く悪魔の螺旋。この私が見る限りミステリーサークルを作ったのは間違いない。初期型UFOの仕業ですぞ」
もっさもさ白髭を蓄え、頭頂をバーコードリーダーで読み取る事が可能な詰まる所バーコードハゲのお前どっから来たの? 的な怪奇現象マニアが何かほざいている。
「初期型UFO?」
「ええ。初期型UFOの特徴は誰もが知ってるアレです。UFOを連想した者ならば一度は脳内で思い描いた事があるでしょう」
「丸い円盤型のいかにもUFOですよ~♪ って自己主張している……アレですか?」
「そうです」
「なぜ……そうだとunderstand出来るのでしょうか?」
「実は……」
次の瞬間、衝撃の一言が……! 答えはCMの後!
――プツッ!――
俺はここ等辺でメジャーな報道番組をユートピアの彼方に消し飛ばした。めでたしめでたし♪
漸く話は繋がる。
冒頭で『聖コンヴァルテ大学』フットサルサークルメンバーの俺達が二十歳前後になっても急な傾斜のハイキングを楽しんでいる理由がよーくご理解いただけた事だろう。
こちとら必死なんだ。何せモノホンの未確認飛行物体が真夜中、近所の空をダイブしていたのだ。
夏季休暇を利用した大学生サークル団体が静岡県伊豆のUVに悩まされながらも、海より山を選択したミステリーの全貌。
まだ死ねない……。俺達には成すべき事があるんだ。
『聖コンヴァルテ大学』の理念としてこういう類のものがありました。入学時の履修届の際に配布されたシラバスの中身。
――疑問とは世界の謎を解き明かす極上のソース。何も気にするなケセラセラ。この学び舎で同志と共にケセラセラ。就活だってケセラセラ。さあ、社会の荒波へと冒険に出ようぜケセラセラ。卒業してもケセラセラ――
*
「ケセラセラケセラセラケセラセラ」
――ミーンミンミンミーン!――
「っだー! るっせー! 殺すぞマジ!」
「やべえ! 女マネージャーがキレた。ケセラセラ」
「原因はこれかな? UVカット日焼け止めクリーム。ケセラセラ」
「ぬあーんであたしの大事な白い敏感お肌をシャイニングダメージからディフェンスしてくれる日焼け止めを持ってるのかな? ふ・か・や~」
――ミーンミンミンミーン!――
「ケセラセラケセラセラケセラセラ」
「っだー! あっちー上にうっとーしいんだよ! ごまかすんじゃね――――!!!!!!!」
「まあ、落ち着け。取り敢えず暑さから素肌を健康に守るおまじないを教えてやる」
俺はガチギレ女マネージャー浦和を宥める。
「何よ!?」
「『ケセラセラ』って、3回唱えてみな」
「ケセラセラケセラセラケセラセラ」
効果は今一つの様だ。深谷君をこの山に生き埋めにしてUVカットクリームを取り戻しますか? はい/いいえ
――⇒はい――
――ピコーン♪――
「ギャアアアアア嗚呼あ(*´Д`*)嗚呼(*´Д`*)嗚呼――――!!!!!!!!!!!!!!」
「な? 無事に日焼け止めクリームが元に戻ったろ?」俺はウインクをかます。
「使えるわね川口。チョッとだけ見直したわ」女マネ浦和との好感度がアップした。
おまじないの効力大だ。約1名犠牲者は出たけどそこはケセラセラ。
「おい、俺を忘却の彼方へ置くなよな。もうすぐそこだぞ現場は」
先行を歩く鳩ヶ谷は登頂付近を指差す。
最近日本のFIFAランクがメッチャ上がったよな――等とサッカーの話題で一頻り盛り上がった後……。
遂に俺達3人(川口、鳩ヶ谷、浦和)は現場のミステリーサークルのポイントに辿り着いた。
また一人犠牲者が出た! 深谷君リタイア!
――させるのも何だかムカつくので、俺と鳩ヶ谷の蘇生術。輸血パック&人工臓器×4を使ってようやっと深谷のバイタルは平常値に戻りーのあの世への舟を漕ぎ出す前に覚醒させた。
こうして人類の尊い命はまた救われたんだ。
「あれ? 僕達どうやってここまで来たんだっけ?」
「「「ケセラセラ」」」と他3人。
登山途中の記憶が失っているのはお約束(^^♪
よーし♪ さて、目的のミステリーサークルだ~♪
笑ってくれたなら救いです。